研究課題/領域番号 |
08874047
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 健介 九州大学, 理学部, 助手 (10192668)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 木星 / 惑星大気 / ガリレオ / 太陽系 / 対流 / 放射対流平衡 / 雲物理 / 相変化 / 木星大気 / ホットスポット / 水蒸気 / 雲対流 / 回転系 / 気象力学 / 水蒸気存在度 / 木星型惑星 / 組成対流 |
研究概要 |
1. 木星大気の一般的鉛直構造に関する結果 ガリレオ探査器の観測がある木星について、共同利用大型計算機を用いた一連の計算を行った。今年度は特に極めて長時間の積分を行ない、単純化された放射過程の元ではあるが、ほぼ統計的定常状態の対流大気構造を計算することが出来た。その結果、対流は凝結高度を境にして上は地球の雲対流に似た性質を持ち下は通常の熱対流の性質を持つ、という前年度までの結果が確認された。ただし、(1)両者の境界は凝結高度よりもわずかに上であり、この高度領域では層状の雲が広く存在すること、および、(2)個々の対流雲の生成がこの層状雲中で局所的に雨が生成し落下した後に起こることがわかった。この様相は、木星の様に凝結成分が相対的に重い場合の雲対流に一般的な性質である可能性がある。これを広いパラメタで確認することは、他の木星型惑星の大気についてのサーベイとともに、将来の課題である。 2. ガリレオの観測との関連 ガリレオブローブが落下した領域の再現の第一歩として、大規模運動の効果によって湿潤層の上端が凝結高度よりずっと下にある場合を計算した。その結果は、大規模下降流が非常に長い時間にわたって対流を抑制できる事を示唆するものである。この点は、木星大気の大規模構造を計算するモデルとの併用によって、将来解明されるべき重要な問題である。 また、モデルの領域を拡張した計算も行なった。その結果には、ガリレオオービターが観測した大規模・長寿命の雲活動に匹敵する規模の、大規模な対流活動の自発的生成が含まれていた。このことは、自然な対流構造の再現には、本研究で標準的に用いて来た領域(512km)よりずっと広い領域のモデルが必要であることを示唆する。超並列計算機上で実行可能にすべくモデルを改造するという技術的問題とともに、今後の課題である。
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