研究概要 |
1)5,15-ジアリール亜鉛ポルフィリンの銀(I)塩酸化によるメゾ位同志でのポルフィリン二量化反応を5,10,15-トリアリールポルフィリンに適応するとポルフィリン2量体が極めて良好な収率で得られることがわかった。また、フェニレン架橋ポルフィリン3量体や5量体に本反応を適応することにより、一挙にポルフィリン6量体や9量体、あるいは10量体や15量体が生成することを見いだした。更に驚くべき事に、ポルフィリン10量体を銀塩と処理するとポルフィリン20量体が生成し、これは分子ふるいの液体クロマトで分取できた。メゾ-メゾ結合ポルフィリン部位は他のポルフィリンに比べて励起エネルギーが低いため励起エネルギートラップサイトとして機能しうるわけで、すべてのポルフィリンを亜鉛にしたポルフィリンアレーは3次元空間に拡がった新しいタイプの光捕集アンテナのモデルとなることがわかった。 2)コバルト触媒によるジフェニルアセチレン架橋ポルフィリン二量体の三量化反応でポルフィリン六量体がOne-Stepで生成することを見いだしたが、収率は0.5%以下で極めて低い。ポルフィリンをパラジウム錯体やニッケル錯体とすることで収率の向上に成功した。また、アセチレン置換ポルフィリンのパラジウム触媒反応でビスエチニルフェニル架橋ポルフィリン2量体を合成し、一重項励起エネルギー移動速度をそれぞれ決定した。
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