研究課題/領域番号 |
08875019
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 昌一 九州大学, 工学部, 教授 (20112295)
|
研究分担者 |
岡部 弘高 九州大学, 工学部, 助手 (90221142)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | バイオフォトン / アズミ種子 / 発芽発根 / 植物ホルモン / 環境応答 / ロジスティック方程式 / チューリングパターン / 生長点 |
研究概要 |
植物は生長に伴い、常時、極微弱な光を発光している。その発光機序はまだ不明であるが、それらには何らかの生長情報が含まれているものと考えられる。そこで本研究ではその発光シグナルの持つ情報を解明し、それを利用して生長制御を行うことを目的として研究を行った。特に、研究の対象としては光合成など副次的なダイナミックスを伴わない発芽・発根過程を取り上げた。その結果、発芽・発根における根の生長は、ロジスティック方程式に従い、方程式の各係数が植物ホルモンの系統的な投与によって、各々非常に規則的に影響を受けることが分かった。生物フォトンはこのロジスティック方程式の挙動と強い相関をもち、生長曲線の1階微分(生長速度)の極値では放射フォトンは最小となり、2階微分(生長加速度)の極値で極大を示す。この事実はフォトンが生長あるいは伸長を始める直前の準備段階で強く放射されることを意味し、植物の生理情報を実際に現れる生長変化に先立って検知できる可能性を示唆した。また、強い発光部位の同定、およびその発光強度が生長ホルモン投与によって増大することを確認した。この結果、生物フォトンは(1)生長点近傍で強く発光する、(2)植物ホルモンが抽出され作用始めるとフォトン強度が増大する、(3)生長速度が増加する直前、加速度に比例してに強く放射される、ことが明らかとなった。今後、これらのフォトン放射が外部環境の変化に対して、どのような影響を受けるかを調べ、フォトン強度から植物の環境応答や生長情報の解明を行う予定である。また、生長がロジスティック方程式で表せ、その各係数が促進や阻害ホルモンの濃度の関数として与えられることが分かったので、これらを考慮した集団生長モデルを提案し、現在そのシミュレーションを検討中である。
|