研究概要 |
マルチ発振レーザーを用いた干渉計測システムを構築し,得られた縞画像を高精度に解析する方法を確立することが本研究の目的である.光学系としてはトワイマングリーン干渉計を用いて実験を行った.マルチ発振レーザーとして,主な発振波長は488.0nmおよび514.5nmであるアルゴンレーザーを用いた.干渉縞の位相を正確にシフトするためにピエゾステージを用いた.ピエゾステージのコントロールはパソコンで行い,周波数シフトは最長波長の数波長分以上にした.干渉縞の撮影はパソコンに接続された画像処理装置で行った.解析には,本研究の基礎となるフーリエ変換位相シフト法のプログラムを作成して用いた.このプログラムで扱われるデータは複素数の三次元画像データであり,大容量のワークステーションを用いる必要がある.そこで画像データを通信回線により遠隔地にある研究室のワークステーションに送り解析を行った.解析の結果,各波長により発生した干渉縞を分離する基礎となる実験は終えた.さらに,周波数の異なる縞の位相の組み合わせから正確に縞次数の整数値を得ることができることもほぼ確認した.現在,トワイマングリーン干渉計にて最終確認中である. この解析プログラムは各種の複合干渉縞の周波数と位相の解析に適用でき,ネットワーク上で動作させることにより遠隔地での実験データ解析に用いることができるように作成されている.さらにインターネットを通じて世界中に配付しておりこれまでに海外・国内共に10名以上の研究者によって利用されている. 今後の展開として,マルチ発振レーザーの用途を開拓する.さらに本研究で開発したアルゴリズムをレーザーの干渉現象だけでなくさまざまな複合現象への適用を考えている.
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