研究概要 |
研究実績の概要 1.商用交流電源と太陽光発電システムを連結する場合,入力電流の高調波歪の,発生が問題となる。この問題を解決する方式として,多入力スイッチングレギュレータを用いた新しい回路方式を、昨年度において提案した。そこで,本年度では、この方式の昇降圧形多入力AC-DCコンバータにおいて、制御方式、回路パラメータと動作特性の関係について検討し、特性の改善を図った。その結果、入力電流歪率を7%に低減でき、同時に出力電圧のリプルを10mVに抑制できた。また、回路に用いるエネルギー蓄積用リアクトルのインダクタを比較的小さく選び、2つ用いている半導体主スイッチ素子のオン、オフの位相を180度ずらすことにより、エネルギーが効率よく負荷側へ伝達でき、約85%の良好な電力効率が得られるようになった。 2.多入力スイッチングレギュレータはリアクトルの磁気結合を利用した昇降圧形とトランスによる磁気結合を用いたフォワード形を基本とした2つの方式に大別できる。そこで、この2つの方式の動作状態について検討し、等価回路、動作モードを明らかにした。そして、これらの方式を入力電流高調波抑制のための回路に用いた場合の特性を明らかにし、比較検討を行った。その結果,2つの方式は共に良好な特性を示し、1.に示した昇降圧形と同様にフォワード形においても7%の低い入力電流歪率、約10mVの低い出力電圧リプルが得られることが分かった。
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