研究課題/領域番号 |
08875062
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30192636)
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研究分担者 |
西永 頌 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10023128)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 半金属 / ErAs / ヘテロ構造 / 共鳴トンネル現象 / 分子線エピタキシ- / テンプレート法 / 埋め込みヘテロ構造 / 半導体ヘテロ構造 / 分子線ユピタキシ- / テンプレート / 金属超薄膜 |
研究概要 |
(1)テンプレート法を用いた半金属(ErAs)/半導体(GaAs/AlAs)超薄膜ヘテロ構造の形成 半金属として熱的安定性がありAlAs/GaAsとの相互拡散や反応がなく熱力学的に安定な界面を形成することのできるErAsを選び、ErAs/AlAsの金属/半導体複合ヘテロ構造をMBE法によって作製した。GaAs基板上にGaAs/AlAs/ErAs/AlAs/GaAsの金属埋め込みダブルヘテロ構造を形成した。半導体上の半金属成長の際に3次元成長が問題となったが、Mn1原子層のテンプレートを挿入したところ、3次元成長が抑制されることを、RHEED装置を用いたその場観察により確認した。これによって、厚さ1原子層〜数10原子層のエピタキシャル金属超薄膜を半導体中に作製する手法を確立した。 (2)ErAs/AlAs/GaAs埋め込みヘテロ構造の構造評価 2次イオン質量分析及び透過電子顕微鏡による構造評価を行い、表面ラフネスや結晶配位等も含め、エピタキシャル成長過程、ヘテロ界面の急峻性や転移・欠陥密度などを詳細に調べた。金属上の半導体のエピタキシャル成長において問題となる3次元成長を抑制するためには、Mnテンプレートを界面に挿入することが有効である、Mnは界面付近に局在しており偏析していないことを見出した。 (3)半金属(ErAs)/半導体(GaAs/AlAs)超薄膜ヘテロ構造を用いた負性抵抗ダイオード 上記のヘテロ構造に対してメサ型のダイオードデバイスを作製し、垂直方向の電気伝導特性を調べた結果、室温で初めて負性微分抵抗を観測した。これは半金属薄膜中の量子サイズ効果とトンネル効果を反映した共鳴トンネル効果である。このことは良好な界面を持つ半金属/半導体超薄膜ヘテロ構造が形成されたことを示唆している。トンネル電流の理論計算と対比させ、比較的良い一致を得た。
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