研究課題/領域番号 |
08875071
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30167887)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 金属 / 絶縁体 / 半導体超格子 / コバルトシリサイド / 弗化カルシウム / 弗化カドミウム / 電界効果型量子効果デバイス / シリコン基板上の量子効果デバイス |
研究概要 |
本研究は、金属/絶縁体/シリコンヘテロ接合の量子効果と電界制御を取り入れた新しい原理による、高密度集積可能な多機能デバイスを実現することを目的とし、金属(コバルトシリサイド)/絶縁体(弗化物)/シリコンからなる極薄膜ヘテロ構造の結晶成長と、この構造を用いた電界制御型量子効果デバイスの提案と理論解析を行い、以下の成果を得た。 平面構造の電界制御型量子効果デバイスの基本構造として、シリコン基板上のCoSi_2/Si/CdF_2/CaF_2ヘテロ構造による電界制御型トンネルトランジスタを提案した。この素子は短チャネルの極微細デバイスであるとともに、結合導波路型を用いる電界効果型量子効果デバイスなどの多機能デバイスへの拡張が可能であり、高密度・高機能集積回路素子として適している。動作特性の理論解析により、このトランジスタが極短チャネルにおいても通常のMOSFETと同様の飽和型の電流電圧特性となること、および高速動作の可能性があることを示した。また、電子波の結合導波型量子効果素子へ拡張した場合、多機能動作の基本となる大きな多重微分負性抵抗特性が室温で得られることを解析により示した。また、このデバイス実現のために必要な層構造として、これまでに報告例のないSi/CdF_2ヘテロ接合の結晶成長をCaF_2/Si(基板)上に行い、種々の成長温度、成長層厚の実験結果から、成長過程を検討することにより、このヘテロ接合系の結晶成長法として成長初期の数原子層までの成長時に基板温度を低くし、それに続く成長では高温にする2段階成長法を用いれば、平坦で結晶性の良好なCdF_2層が形成できることを示し、トンネルトランジスタ実現に必要なCoSi_2/Si/CdF_2/CaF_2ヘテロ構造の成長条件を把握した。
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