研究概要 |
たわみやすい構造物の振動を制御することは極めて重要である.この研究は,具体的に,はりを対象に,境界に適切なモーメント力を生ぜしめるように,圧電素子による制御機構を構成して,その特性と最適な制御法を検討したものである. 得られた主な成果は次のようである. 1)振動ディジタル・データ収録システムの整備と調整について:非接触レーザー振動計,動ひずみ測定および圧電素子による電圧測定などを,ディジタル・オッシロスコープとGPIBを介して,DAQボード(Data Aquisition Board)を用いて高精度で ディジタル・データを収録するシステムを構成した. 2)圧電素子による振動制御:ディジタル・データ収録システムを用いて収録した振動データを,LabV IEWを用いて演算処理し,圧電素子を駆動するための制御電圧発生システムを構成した.なお,この制御電圧はアナログ量として出力する必要であるので,D/A変換を行い,さらに増幅した. 3)片持ちばりの振動制御実験システムを構成し,制御効果を確認した.このシステムは大きく分けて,1)片持ちばりの自由振動の発生,2)振動計測,3)データを演算処理して制御信号を発信する演算処理制御信号発信部分,および4)制御力を加える駆動部分(圧電素子)から成っている.当然のことながら,制御力が大きい(制御電圧が大きい)ほど制御効果が大きいことが明らかとなった.
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