研究課題/領域番号 |
08875115
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00260448)
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研究分担者 |
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | random anisotropy / correlated spin-glass / 5f electron / amorphous alloy / UGe_2 / uranium / USi_2 / magnetism |
研究概要 |
本研究ではランダム磁気異方性を伴う強磁性を示すUGe_2アモルファス合金の弱磁場挙動について研究を行い、スピングラス相の形成とランダム磁気異方性の関連を調べた。 実験的に磁気モーメントの凍結を見極めるには、無磁場中(ZFC)および磁場中冷却(FC)での還元磁化M/Hを比較するのが有効とされている。そこで高感度SQUID磁力計により、昇温過程で弱い磁場下で磁化測定を行った。ZFC曲線は明瞭なカスプをT_fで示して低温で減少するのに対し、FC曲線はT_fで折れ曲がりが見られるだけである。しかも印加磁場が低いほどカスプは明瞭となって高温側にシフトした。 さらにM/H-Hプロットをしてみると、およそのゼロ磁場でのM/Hつまりχ_oを推定する事が出来た。凍結温度T_f近傍である30Kにおいてもχ_oは発散せずに有限の値を示しており、高次の相転移であることを示している。χ_o〜(D/J)^2の関係からD/J〜0.2が見積もられた。 高温における相転移の兆候を見極めるために、臨界指数γを調べてみた。χ_o〜(1-T/T_f)^γの関係から、χ_o(dχ_o/dT)-Tプロットをすると、42K以上では1/γのスロープで直線的であるのに対し、37Kで直線からずれて、T_fでは発散をする。この傾きから得られたγ〜1.5は平均場近似から導かれるγ〜1からずれており、臨界揺らぎを伴うスピングラス転移であることが判明した。 アモルファス磁性体のスピン配列や磁場レスポンスは交換相互作用Jと局所的な磁気異方性の強さDの双方が関与している。Dが支配的な場合も、局所的な異方性と強磁性的相互作用の競合によりある種のフラストレーションが生じ、「スピングラス的な」挙動を示すことが予想されていた。本研究ではウラン間の磁気相互作用だけにより小さいD/Jが達成され、弱磁場下でスピングラス相が形成された。
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