研究課題/領域番号 |
08875173
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三上 幸一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10157448)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 反強誘電性液晶 / 強誘電性液紹 / 不斉触媒的エン反応 / 含フッ素光学活性化合物 / 分子間相互作用 / 分子力学計算 / 分子軌道計算 / 分子動力学計算 / エン反応 / フロラール / 立体配座 / 不斉触媒 / 不斉合成 |
研究概要 |
近年、反強誘電性液晶は、高速応答性や真のメモリー性を備え、かつ強誘電性液晶の技術的な問題を解決しうる可能性から特に注目され、活発な開発研究が進められている。こうした反強誘電性の発現には、光学活性部に大きな自発分極を持つことが必要であり、極性の大きなトリフルオロメチル基の導入が有効とされている。さらに、そのアルキル直鎖部分の立体配座的な重なり合いと、自発分極の反平行なペアリングによる分子間配列の安定化が必要と考えられている。そこで本申請研究では、まず光学活性部位としてトリフルオロメチル基を有するα-トリフルオロ-β-メチルカルビノールを高ジアステレオ選択的な不斉フロラール-エン反応に基づき、シン-およびアンチ-ジアステレオ選択的に不斉合成した。さらに、こうしたジアステレオマ-光学活性部を有する液晶分子の立体配座を分子力学および分子軌道計算に基づき明らかにした。 まず、申請者らが開発したエナンチオ選択的な不斉触媒的フロラール-エン反応に基づき、α-トリフルオロ-β-メチルカルビノールのシン-およびアンチ-ジアステレオ選択的な不斉合成法を開発した。さらに、高ジアステレオおよびエナンチオ選択的に合成した液晶分子、特にその光学活性アルキル部の立体配座を分子力学および分子軌道計算に基づいて解析した結果、反強誘電性相を安定に形成するジアステレオマ-では、光学活性アルキル側鎖部が分子長軸に対して折れ曲がったbent配座が有利であることを明らかにした。 次いで、液晶分子内での双極子モーメントの反平行ペアリングを考え、C_2対称性を有し、メチレン鎖が3と短く、従ってその立体配座がrigidに規定しうると考えられるジオールの触媒的不斉合成法を開発した。反応性の高いビニルスルフィドをエン体として、フロラールを二当量以上用いることによって、エン反応は二方向に進行し、C_2対称性の液晶分子の高ジアステレオおよびエナンチオ選択的な不斉合成に成功した。得られた液晶分子は安定な反強誘電性相を示すことを明らかにした。
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