研究課題/領域番号 |
08876004
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
萩原 素之 信州大学, 農学部, 助教授 (90172840)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 水稲 / 根系 / 根の活力 / 根の乾物率 / TTC還元力 / 呼吸速度 / 簡易評価法 / 画像解析 / 酸化力 |
研究概要 |
本年度(最終年度)は土壌有機物量の違いが根の活性に与える影響とその簡易把握についての調査を根箱実験を中心に一部圃場実験で実施した。 有機物を多く含む培土とほとんど含まない培土の2土壌条件下で水稲品種コシヒカリを栽培し、根系活性の推移をTTC染色反応と呼吸速度の両面から調査するとともに、根の乾物率と根の活性との関係についても前年に引き続き調査した。その結果、TTC染色反応で染色強度と染色範囲の大きさを組み合せた指標で評価した根の活性と根の呼吸速度との間には高い正の相関関係が認められ、TTC染色反応による根の活性の評価方法が妥当なことを確認した。さらに、TTC染色反応による根の活性の評価値と根の呼吸速度は、いずれも根の乾物率と高い負の相関を示した。根の活性は有機物の多い培土の方がやや高いようであったが、有意差はなかった。過去2年間、種々の土壌条件下で根の活性と根の乾物率との間に負の相関関係が認められたことから、根の乾物率は根の活性を評価するための測定容易な指標として有用なことが明らかになった。ただし、新根のみをサンプリング対象とした圃場実験では、根の活性(呼吸速度)と根の乾物率との間には有意な相関が認められなかった。根の乾物率が根の活性と負の相関関係を示すのは、根の老化に伴うスベリン化、リグニン化などの細胞壁の肥厚や根の表面への酸化鉄皮膜の付着等によると推察される。新根ではこれらの変化がまだほとんど起こっていないため、根の乾物率が活性の指標とならなかったものと考えられる。今後は、圃場条件で多品種を用いた試験によって、根の乾物率による根系活性の簡易評価方法を確立する必要がある。 メチレンブルー添加土壌の呈色反応の変化で根系活性を評価するという目標については、充分な成果が得られなかったが、根系活性の簡易評価法の創案という観点からは所期目標は充分達成された。
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