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魚類の鰭による多様な移動運動の基礎にある脊髄内神経機構に関する機能形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08876037
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関広島大学

研究代表者

植松 一眞  広島大学, 生物生産学部, 教授 (00116542)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード真骨魚 / トビウオ / エンゼルフィッシュ / 遊泳運動 / 胸鰭 / 神経支配 / 高速ビデオカメラ
研究概要

1.広島大学練習船豊潮丸により佐多岬沖においてアヤトビウオ成魚(全長224±14mm)を採集した。胸鰭筋を解剖した結果、5種の筋肉からなり、その内最外層にある筋のみが赤筋であった。脊髄の最前部から出る4対の神経が筋肉に侵入する。これらの神経を電気刺激すると、胸鰭の運動が誘起された。刺激頻度を増すにつれて、筋収縮は次第に加重されて、50〜100Hzでは強縮に変わった。この時、鰭は大きく拡張されたままとなった。したがって、これらの神経には胸鰭の運動を司るものが含まれる。
2.水産庁西海区水産研究所において人工孵化された、全長44.2mmのアヤトビウオ稚魚を丸ごとSudan black Bで染色した結果、4対の胸鰭筋支配神経のうち、前の2対は延髄と第1椎骨の間から、3番目は第1椎骨と第2椎骨の間から、4番目は第2椎骨と第3椎骨の間からでることが明らかとなった。
3.各神経の樹脂切片をtoluidin blueで染色したところ、神経の断面には太細2種類の有髄繊維と、極めて細い無髄繊維が見いだされた。前者は一次および二次運動ニューロンの軸索であり、後者は感覚神経の軸索と考えられる。
4.以上より、トビウオの飛翔は、離水時の白筋による胸鰭の急速な拡張と、その後の赤筋による拡張の維持によって、行われることが推察される。
5.高速ビデオカメラを用いて、エンゼルフィッシュ仔魚の胸鰭運動の発達過程を観察した。胸鰭運動は孵化後4日目より観察された。この時すでに、胸鰭運動と尾振りは協調的に行われた。すなわち、右胸鰭の開き、体幹の右への屈曲、続いて左胸鰭の開きの順に行われた。胸鰭の運動は尾振りにより生じる体幹のブレを補正するためのものであると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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