研究課題/領域番号 |
08876061
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70092591)
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研究分担者 |
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
酒井 清 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70017060)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ティラピア / 閉鎖環境 / CELSS / 継代繁殖 / 食物連鎖 / 光周期 / ミジンコ / クロレラ |
研究概要 |
水棲生物を用いた食物連鎖として、植物プランクトン(クロレラ)、動物プランクトン(ミジンコ)、魚類(ティラピア)を選択し、それぞれのライフサイクルを明らかにするとともに、ひいては閉鎖環境生態系という1つのモデルの中で、継代繁殖を目指す飼育システム(閉鎖生態系循環式養殖システム,Controled Ecological Recirculating Aquaculture System : CERAS)を開発するための基礎的知見を得ることを目的とした。すなわち、クロレラ-ミジンコの餌料系列を用いてティラピア(ふ化後の10mgから400mgまで)を飼育し、ティラピア1gを生産するに必要なミジンコおよびクロレラ量を算出するとともに、光周期の違いによるティラピア親魚の繁殖行動に及ぼす影響について検討した。まず、10000尾のミジンコを得るために必要なクロレラ量とミジンコ最大個体数あるいはその到達に必要な日数との関係を調べた結果、これらの間には負の相関関係が見られた。次に、ティラピア体重当たり1日に投餌したミジンコ量(%)とティラピアの体重との関係を調べたところ、ミジンコをティラピア体重の80-400%の範囲で与えるとほぼ一定(平均21800尾,オオミジンコ換算で10.9g)の値を示すことがわかった。今回の実験条件で得られたデータから計算により求めたティラピア-ミジンコークロレラの食物連鎖における容積比は1:3:5となった。ティラピア親魚は雄を中心としたハ-レムを形成することが知られている。光周期の違いによりティラピア親魚の繁殖行動がどのように変化するのかを調べた結果、6L6Dおよび24L24Dのような周期は雌の卵成熟・排卵を抑制するが、雄の生殖(精子形成、縄張り行動および巣作り、求愛、闘争)にはほとんど影響を及ぼさないことがわかった。本研究により、CERASを設計する上での基本的な容積比率が明らかにできたとともに、親魚の産卵生態・行動の一端を調べることができ、今後のCERAS構築に向けた萌芽的研究が遂行できた。
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