研究課題/領域番号 |
08877010
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前田 信治 愛媛大学, 医学部, 教授 (50036464)
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研究分担者 |
立石 憲彦 愛媛大学, 医学部, 助手 (90236555)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 微小循環 / 酸素輸送 / 画像処理 / 赤血球 / 脳虚血 / 血漿層 / 血液レオロジー / 血流速度 / ヘモグロビン / 脳 / 吸収スペクトル / 二次元映像 / 画像演算 |
研究概要 |
脳の微小循環動態の変化にともなう脳組織への酸素供給の変化を定量的に評価することを目的とした。1.測定装置は投下照明装置、実体顕微鏡、干渉フィルター、ビデオカメラ、画像処理装置で構成した。2.ラットを麻酔下に開頭して左前頭葉領域表面の微小血管網の観察窓を作成した。3.顕微鏡下に反射光を利用して脳表面の微小血管網を波長の異なる6枚の干渉フィルターを通してビデオカメラでとらえ、画像処理装置を用いてデジタル化した。コンピュータを用いて画像データをKubelka-Munk理論に基づいて吸光度画像に変換した。酸素化型と脱酸素化型ヘモグロビンの反射スペクトル差をもとに、6波長の画像の重回帰分析を行い、血液の酸素飽和度を求めた。測定の信頼性は光路長既知の矩型ガラス管を用いて、顕微分光法による結果と比較して確認された。4.ラット脳表面の微小血管網における血液の酸素飽和度の画像化に成功した。5.ラットの右内頸動脈を結紮し、左内頸動脈を圧迫して電磁血流計を用いて脳への血流量の低下を確認した。脳への血流量が低下すると、脳表面の微小血管の収縮と血流低下を観察された。内頸動脈の血流量と脳表面微小血管の血流量ならびに血管の収縮状態との関係については、観察する部位によって差が顕著であった。赤血球の流速および赤血球の血管内分布状態の定量的解析は、顕微鏡の低倍率および低解像度のため困難であった。6.脳表面の血流低下にともない微小血管内を流れる赤血球の酸素飽和度は低下した。その程度は動脈側に比べて静脈側で顕著であった。7.エチレンプロピレン製の微小流路を用いたモデル実験で、高分子デキストランによる赤血球の軸集中が赤血球からの酸素放出を低下させることがわかった。8.脳における微小循環動態と酸素放出動態の関連性を同時的解析には、ハード面での新しいシステムの開発が必要であった。
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