研究課題/領域番号 |
08877022
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
奥西 秀樹 島根医科大学, 医学部, 教授 (70111888)
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研究分担者 |
柿添 栄一 島根医科大学, 医学部, 助手 (40252910)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 強皮症 / プロテアーゼ / 肥満細胞 / キマ-ゼ / コラーゲン線維 / 慢性炎症性増殖 / マウス |
研究概要 |
ウシII型コラーゲン感作により発症させた慢性関節リウマチ(RA)モデルマウスの足・足趾軟部組織、および遺伝的に発症する強皮症モデル(Tsk)マウスの皮膚における病理所見と組織プロテアーゼ活性を中心とした生化学的変化との相関を検討した。モデルおよび対照動物の足趾、皮膚より抽出したプロテアーゼの合成基質(Suc-Rhe-Phe-pNA)水解活性はアプロチニンでは阻害されず、キモスタチンで阻害されることから、その大部分はキマ-ゼ活性と考えられた。1.RAモデルマウスでは足趾関節の腫張、変形、硬化、萎縮、骨破壊がみられ、周囲組織のコラーゲン線維量増加を示したが、対照群では示さなかった。感作群の足軟部組織でキマ-ゼ活性は有意に上昇したが、非病変部である背部皮膚、肺、小腸では対照群と差がなく、キマ-ゼ増加は炎症部位特異的であった。また、病変部では肥満細胞密度が有意に増加し、その殆どはキマ-ゼ陽性であった。2.Tskマウスの皮膚は皮下組織との可動性が制限され、形態学的には対照(Pallid)マウスに比べ真皮と皮筋層下にみられる線維性結合組織帯の肥厚を示した。生化学的には皮膚ハイドロキシプロリン含有率が増加し、コラーゲン量の増加が示唆された。また、これらの病変部では対照皮膚に比べ真皮肥満細胞密度および皮膚キマ-ゼ活性が増加した。結合組織の増生を主徴とする2種類のモデル動物において、その病変局所での肥満細胞数増加とキマ-ゼ活性上昇が認められた。いずれも病理所見と相関しており、慢性炎症性増殖過程における肥満細胞キマ-ゼの寄与が示唆された。キマ-ゼ遺伝子発現の動態と病理所見との相関について現在検討を進めている。また、開発中のキマ-ゼ阻害薬がin vivoで応用可能な段階に達したので、これを用いてキマ-ゼの病態生理学的役割を検討するとともに、キマ-ゼ発現調節機構の解析も進める予定である。
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