研究課題/領域番号 |
08877057
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高橋 一郎 帝京大学, 医学部, 講師 (40091045)
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研究分担者 |
野々村 禎昭 帝京大学, 医学部, 教授 (80009993)
牛島 廣治 東京大学, 医学部, 教授 (10091068)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ヒト免疫不全ウイルス / 細胞内ウイルスタンパク輸送 / コロイド金標識免疫形態学 / マイクロフィラメント / 中間径フィラメント / gagタンパク / envタンパク / ヒト免疫不全ウィルス / 細胞内ウィルスタンパク輸送 |
研究概要 |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子の転写は、長い潜伏期間を経たのち開始され、プロウイルスDNAから転写されたウイルスゲノムとmRNAが感染細胞核より細胞質中に出る。このうち、mRNAは細胞質中(rERあるいは、遊離リボソーム上)でHIVタンパク前駆体に合成された後、形質膜直下にてウイルス各部品と会合・アッセンブリーされて出芽(増殖)する。ただし、このような機構については、生化学的なデーターからの推論であり、電子顕微鏡超微細形態学では、感染細胞中のHIV関連構造としては出芽直前の形質膜直下においてのみ観察された。本研究の目的は、未だ明らかになっていない感染細胞中のHIV構造タンパク前駆体のタンパク合成の場、および、その輸送様式・経路を免疫電子顕微鏡的に明らかにすることである。 まず、pre-embedding法とdetargent処理の結果から、mRNAのHIV構造タンパク前駆体(gag-&env-)合成の場としては、感染細胞質の粗面小胞体表面のリボソーム上であることが明らかになった。ついで、pre-&post-embedding法の結果から、これら前駆体は細胞骨格線維・中間径フィラメント(IF)を伝って、形質膜直下まで輸送されることがわかった。また、前駆体は用いたすべての構造タンパク(gag-p17,24&env-gp120)が1個分に相当するタンパク量で輸送されることも明らかになった(多分、核より出た際にmRNAはウイルス全長大になっているものと考えられた)。このようにして、形質膜直下まで運ばれて、アッセンブリーし出芽(増殖)する。 従来からIFは、非常に安定した構造と考えられてきたが、最近、リン酸化・脱リン酸化により脱重合されることが明らかになった。今後は、脱重合化によるHIVタンパク前駆体の輸送を阻害することで、出芽阻止の可能性について検討する。
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