研究課題/領域番号 |
08877064
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 健 北海道大学, 医学部, 講師 (40153811)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 微量元素 / シナプス / 神経伝達 / 亜鉛 / ストレス |
研究概要 |
本研究は、微量元素が中枢神経伝達機構で果たす神経化学的役割を明らかにするために、刺激時の微量元素の神経シナプス内外での動態および神経シナプスからの神経伝達物質の放出との関連を追及した。得られた成績は、以下のごとくである。 1.拘束ストレスの負荷前、負荷中および負荷後の海馬の神経シナプスを分離し、亜鉛濃度の変動を検討した。その結果、海馬の苔状繊維に見られる大シナプスにおいては、ストレス負荷により、亜鉛濃度の低下が認められた。一方、他のシナプスにおいては、逆に、ストレス負荷時に亜鉛濃度の増加が認められた。 2.in situのマイクロダイアリシス法を用いて、拘束ストレスの負荷前、負荷中および負荷後の海馬C3領域で、シナプスからの神経伝達物質および亜鉛の放出を検討した。その結果、亜鉛はストレス負荷の初期にシナプスから放出され、海馬の伝達物質であるグルタミン酸と極めて類似の放出パターンを示した。 以上の成績から、(1)ストレス負荷により亜鉛が、海馬の苔状繊維の神経シナプスから放出されること、(2)放出された亜鉛は、苔状繊維の神経シナプスのみならず、他のシナプスに再吸収されること、(3)その放出は、神経伝達物質であるグルタミン酸と共通のパターンを示し、神経伝達を調整しているらしいことが、明らかになった。
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