研究課題/領域番号 |
08877119
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 成明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40187191)
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研究分担者 |
太田 真 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60176899)
東條 克能 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70180114)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 副甲状腺ホルモン / 副甲状腺ホルモン関係ペプチド / 心筋細胞 / 心筋線維芽細胞 / 心筋肥大 / ナトリウム利尿ペプチド / エンドセリン |
研究概要 |
副甲状腺ホルモン(PTH)ならびに副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)receptorは、7個の膜貫通部分を有するGrotein共役型receptorであり、PTH/PTHrP receptor mRNAは全身臓器に広範囲に分布しいる。心臓においてもこのように発現していることが明らかとなっている。PTHが心臓ならびに血管におよぼす影響は明らかとなっていないが、PTHrPは血管平滑筋を含むほとんど全ての正常組織に発現し、血管拡張作用を有することが明らかとなっている。PTH/PTHrP受容体も同様に、心臓および血管平滑筋を含め生体内に広く分布しているため、PTHrPが心臓に直接的作用を有する可能性が示唆される。また近年、心筋肥大形成機序に関し、心筋細胞と非心筋細胞の相互作用が注目されている。よって培養ラット心筋細胞を用い、PTHに先立ち、PTHrPによる影響と、非心筋細胞によるANP・BNPの分泌調節を検討した。Percoll Gradient法により調整した初代培養新生仔ラット心筋細胞系に、PTHrP(10^<-6>M〜10^<-8>M)およびEndothelin-1(ET-1;10^<-7>M)を添加し、タンパク合成の指標として、[^3H]Leucineの取り込みを測定した。また非心筋細胞単培養上清を心筋細胞単培養に添加し、ANP・BNPの分泌濃度を測定した。その結果、[^3H]Leucineの取り込みは、PTHrP単独刺激では10^<-7>M(+50.0% of Control,p<0.01)および10^<-8>M(+23.6%,p<0.05)において有意に促進した。ET-1単独刺激で促進し(+18.0%,p<0.01)、PTHrPおよびET-1両者の刺激により、PTHrPのいずれの濃度においても、ET-1単独刺激の結果を相乗的に増強した(p<0.01)。非心筋細胞単培養上清の添加は、濃度依存性に、心筋細胞単培養液中へのANP・BNPの分泌を促進した。以上のことより、PTHrP単独刺激は新生仔ラット初代培養心筋細胞においてタンパク合成を促進し、ET-1のタンパク合成促進効果に相乗的に作用した。また心筋細胞と非心筋細胞の相互作用の重要性が示唆された。
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