• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

洞結節細胞のペースメーカー電位再構築シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 08877120
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

田村 光司  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00197576)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
キーワードSinoatrial node / Simulation Model / pecemaker potential
研究概要

今回の研究では,単一洞結節細胞の実験から得られたデータを基にして,時間非依存性電流であるNa-Kポンプ電流(Ip)をChapmanらのモデルを用い、背景電流(Ib)はGoldman-Hodgkin-Katzの式を用いてシミュレーションモデル化した。
1.洞結節細胞活動電位におけるNa-Kポンプ電流(Ip)の役割
実験およびシミュレーションモデルで、Ipが明らかな電位依存性を示す電流系であることが確認された。Ipの電位依存性は、細胞内外のNaおよびK濃度によって偏位することも確認された。特に,正常状態におけるイオン環境を考慮すると、細胞外に正常の5.4mMのKが存在する状態ではペースメーカー電位の領域でIpがリズミカルに変動していることが明らかにされた。Ipは最大拡張期電位において最小となり,脱分極のピークでは約20pAの外向き電流として膜電位を再分極させる作用があることが示唆された。従来の研究ではIpの活動電位における起電的な役割については不明であった。しかし,洞結節細胞は膜抵抗が非常に高い細胞であるため,Ipの活性化に伴う外向き電流はペースメーカー電位を調節する重要な外向き電流であることが確認された。
2.洞結節細胞活動電位における背景電位(Ib)の役割
背景電流(Ib)はIpと異なる,Goldman-Hodgkin-Katzの等式による単純なモデルによって表現される電流である。正常のイオン環境ではIbの逆転電位は-20mVと計算されたため,IbはIpとは逆にペースメーカー電位の領域では約-20pA前後の内向き電流として膜電位を脱分極させることが示唆された。
3.今回のシミュレーションモデル実験では旧モデルでは解明されなかった未知の電流系がIpやIbによって形成されている可能性を示唆する重要な研究と考えられた。
さらに、このようなシミュレーションモデルを用いた研究は,細胞内潅流を必要とする条件や低濃度のATP濃度の設定など、実験上困難叉は不可能な設定に対しても結果を想定することが可能であり,今後なされうる実験結果を予測する上でも重要な研究と考えられた。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 萩原誠久,田村光司 他: "洞結節細胞における時間非依存性電流" 心臓ペーシング. (印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 萩原誠久,田村光司 他: "洞結節細胞における伸展活性化チャネルの役割" 東京女子医科大学雑誌. 67. (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi