研究課題/領域番号 |
08877124
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
糸数 直哉 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90244194)
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研究分担者 |
杉本 徹 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (90117888)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 神経芽腫 / 細胞分化 / 合成レチノイド / レチノイン酸 / アポトーシス |
研究概要 |
レチノイド化合物は、個体の発生と成長、細胞分化、生殖、視覚、聴覚や味覚受容器などに対する様々な生理作用を有し、ビタミンというよりもホルモンとしての側面が知られてきた。そのレセプターは、核内レセプター遺伝子ファミリーを構成し、レチノイン酸レセプター(RAR)のRARα、RARβ、RARγと9-cisレチノイン酸レセプターのRXRα、RXRβ、RXRγがクローニングされている。 今回、急性前骨髄球性白血病株で分化誘導能が報告されている新合成レチノイドであるAm80、Ch55、Re80を用いて、神経芽腫(NB)の分化誘導とそれに伴うRAR発現の変動を検討した。 NB株のKP-N-RTをAm80、Ch55、Re80を含むRPMI1640メディウム(10%FCS)で培養し、形態的変化を観察した。陽性コントロールとして合成レチノイドE5166、また、陰性コントロールとしてレチノイド無添加のメディウムを用いた。分化誘導細胞とは細胞体の2倍以上の突起有するものと定義した。 研究結果は以下の通りであった。 1.新規合成レチノイドの分化誘導に用いる至適濃度、分化誘導に要する日数の決定:E5166は1.7X10^<-5>M、Am80、Ch55とRe80は5.0X10^<-10>Mが至適濃度で分化には4日間要した。 2 形態学的変化に伴う分化の免疫組織学的変化:形態学的分化に伴い、Neurofilamentが増加し、神経細胞への分化が判明した。 3.分化に伴うRAR(α、β、γ)の発現の経時的変化:分化によりRAR(α、β、γ)の発現が増強した。 分化に伴う神経栄養因子受容体(trkA、trkB)の発現の有無と経時的変化:4分化によりtrkAとtrkBの発現は増強した。 以上レチノイドによりNBの分化が誘導され、レチノイン酸レセプター、神経栄養因子受容体発現が増強されることより、NBの分化誘導療法の可能性が判明した。
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