研究課題/領域番号 |
08877134
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
錦織 千佳子 京都大学, 医学研究科, 助手 (50198454)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 色素性乾皮症 / (6-4)光産物 / ピリミジンダイマー / IL-10 / サイトカイン / 紫外線 / T4エンドヌクレアーゼ / TNF-α |
研究概要 |
色素性乾皮症(XP)は紫外線によってDNAに生じた傷を修復する酵素を欠損するために、日光露光部に皮膚癌を生じる高発癌性遺伝疾患であるが、DNA修復酵素が転写の機能も担っているという概念が発見されたので、DNA修復異常疾患、とくに、XPにおける免疫系の異常を研究することが、本研究の目的である。それに先立ち、XP患者で修復することが出来ない紫外線によるDNA傷害であるビリミジンダイマーおよび(6-4)光産物のサイトカイン産生に及ぼす影響を調べた。マウス表皮細胞に太陽光近似の紫外線(波長のピークは305nmを200J/m2を照射後12時間後からIL-10の発現が見られ始め、24時間後の細胞が強く染色された。しかし、UV照射直後ビリミジンダイマーを特異的に修復する酵素T4Endonucleas Vを1時間処理あるいは、(6-4)光産物を特異的に修復する酵素である(6-4)光回復酵素を処理後光回復光を照射後、通常の培養液に戻して23時間後の細胞ではUV照射のみの群と比べてIL-10の染色性は明らかに減少した。チミンダイマーに特異的なモノクローナル抗体(TDM2)並びに(6-4)光産物に対するモノクローナル抗体(64M2)を用いてダイマー並びに(6-4)光産物の検出を行ったところUVB200J/m2照射後、T4N5リボゾームあるいは(6-4)光回復酵素に引き続き光回復光を処理することによってTDM2、64M2に対する染色性は明らかに減少した。以上のことにより紫外線によって生じるDNAの傷であるビリミジンダイマー、(6-4)光産物が抑制性のサイトカインであるIL-10の分泌を促進することが示唆された。さらに、XPA群のモデルマウスにUVB5kJ/m^2照射24時間後のIL-10の発現を抗マウスIL-10特異的モノクローナル抗体を用いて検出したところ、XPマウスでは正常マウスに比べてIL-10の発現が強く、XPAマウスでは接触過敏症反応が低下していることを支持するデータである。これらのことよりDNAの傷を修復できないことが、免疫の制御にも深く関わることが示唆ざれた。
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