研究課題/領域番号 |
08877167
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90181130)
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研究分担者 |
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 助手
佐々木 光 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60282638)
本田 浩章 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40245064)
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60212049)
三谷 絹子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50251244)
黒川 峰夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
平野 直人 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
宮川 清 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40200133)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リンパ系腫瘍 / 癌抑制遺伝子 / p16遺伝子 / p15遺伝子 / Rb遺伝子 / p53遺伝子 / DNAミスマッチ修復 / MLH1遺伝子 / 細胞周期 / 急性リンパ性白血病 / 非ホジキンリンパ腫 |
研究概要 |
リンパ系腫瘍の発症における細胞周期制御因子の異常の意義を検討する目的で、細胞周期のG1期の負の制御に関与し、かつヒト悪性腫瘍で不活化をきたすことが知られている4つの癌抑制遺伝子p16、p15、Rbおよびp53遺伝子について、その不活化の頻度と様式を検討した。p15、p16、Rbおよびp53遺伝子のいずれかが不活化を受ける頻度はリンパ系腫瘍において44%であり、これら4つの癌抑制遺伝子がその発症に極めて重要な役割を果たしていることが判明した.リンパ系腫瘍において個々の遺伝子の不活化は、互いにほぼ独立に生じること、および複数の癌遺伝子の不活化は腫瘍に、より強い増殖能を付与しうることが示唆された.さらに生命予後との相関を検討する目的で、これらの遺伝子の変異と生命予後との関連性につき比較検討を行った。ALLではp53遺伝子に変異のある症例、またNHLでは少数例の検討ではあるもののp16遺伝子の不活化のある症例が予後不良を示したことにより、これら細胞周期制御に関連する癌抑制遺伝子の不活化はリンパ系腫瘍の発生に重要であるとともに、予後因子としても重要であることが示唆された。 これらの遺伝子異常を引き起こす、ひとつの要因であると考えられるDNAミスマッチ修復遺伝子の関与の有無についても解析を行う目的で、白血病、悪性リンパ種の細胞株におけるDNAミスマッチ修復遺伝子MLH1、MSH2、MSH3、MSH6の異常の有無を検討した。造血器系腫瘍細胞株43種について解析を行った結果、3種類の細胞株でMLH1遺伝子の異常を認め、これらはいずれもリンパ系腫瘍由来の細胞株であった。また、2種類の細胞株でMSH6遺伝子の異常を認め、これらもリンパ系腫瘍由来の細胞株であった。以上の結果よりDNAミスマッチ修復遺伝子の不活化がリンパ系腫瘍の進展に重要な役割を示す症例の存在することが示唆された。
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