研究課題/領域番号 |
08877172
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北川 誠一 大阪市立大学, 医学部, 教授 (50133278)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 単球 / 血管内皮細胞 / GM-CSF / 接着 |
研究概要 |
ヒト末梢血単球とヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞を共培養すると、GM-CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激印紙)の産生・分泌が強く誘導された。この反応は単球特異的であり、好中球と血管内皮細胞との共培養ではGM-CSFの産生は認められなかった。また、この反応は細胞接着依存性であり、単球と血管内皮細胞が直接接着することが重要であった。GM-CSFの産生・分泌は、mRNA、蛋白および生物活性レベルで確認された。共培養によるGM-CSFの産生・分泌は血管内皮細胞をIL-1βで前処理することにより、さらに増強された。GM-CSFmRNAの発現誘導は共培養後2時間で既に認められた。さらに、免疫化学染色およびin situ hybridizationによる検索から、GM-CSF蛋白およびmRNAは、強く接着している単球と血管内皮細胞に共に発現していることが明らかになった。これらの反応は、いくつかの接着分子(セレクチン、β2インテグリン、VLA-4、ICAM-1、VCAM-1)に対する抗体では阻害されず、IL-1およびTNFαに対する抗体で有意に抑制された。また、C-キナーゼ阻害剤による阻害は受けなかったが、チロシンキナーゼ阻害剤による強く阻害された。GM-CSFは好中球および単球に作用して、その様々な機能を活性化させることが明らかにされている。単球と血管内皮細胞との直接接着反応により産生されたGM-CSは、局所に動員された好中球および単球機能を制御することにより、炎症反応や動脈硬化巣の進展に重要な役割を果たしていると考えられた。
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