研究課題/領域番号 |
08877175
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 孝彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (60243028)
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研究分担者 |
武曽 恵理 京都大学, 医学研究科, 講師 (10190852)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | メサンギウム細胞 / 第V因子 / 凝固過程 |
研究概要 |
[目的]糸球体における凝固過程に関して、組織に発現する因子を検討した。メサンギウム細胞に注目し、細胞上での凝固過程において、凝固の後期に関与する第V因子の役割を検討した。 [方法]1)培養ヒトメサンギウム細胞あるいは培養マウスメサンギウム細胞をchamer slideに移し、12時間後に、ウシ胎児血清を含まない培養液に交換した。48時間後に、炎症性サイトカインとしてTNF-α(100U/ml)を含む培養液に置きかえた。24時間後に、フィブリノーゲン、プロトロンビン、凝固Xa因子、XIII因子を加えた。細胞上で生成したフィブリンをプラスミンで処理したのちに抗Dダイマー抗体を用いて酵素抗体法により検出した。 2)抗第V因子抗体を1)の培養液中に、25、50、100μg/mlの濃度に加え、フィブリン生成の阻害を評価した。 3)TNF-αで刺激したのちに培養細胞を固定し、抗第V因子抗体を用いてメサンギウム細胞上における第V因子蛋白の発現を酵素抗体法により染色した。 4)TNF-αで刺激し、3、6、12時間後に第V因子のmRNAに対するアンチセンスのプローブを用いて、in situ hybridizationを行った。 [結果]1)メサンギウム細胞上で、凝固過程の進行による安定化フィブリンの形成を認めた。 2)抗第V因子抗体の培養液中への添加により濃度依存的にフィブリン形成数が減少した。 3)メサンギウム細胞上に第V因子蛋白の発現が確認された。 4)遺伝子に関してもメサンギウム細胞における第V因子のmRNAの合成が確認された。 [結論と考察]メサンギウム細胞上で凝固過程が進行し、フィブリンを生成しうることが確認された。この過程は抗第V因子抗体により阻害され、またメサンギウム細胞上に第V因子の蛋白を検出し、また細胞内にはmRNAを検出したことから、第V因子が大きく関与することが示唆された。
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