研究課題/領域番号 |
08877202
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
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研究分担者 |
森田 真 九州大学, 医学部, 医員
田上 和夫 九州大学, 医学部, 助手 (40294920)
橋爪 誠 九州大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90198664)
御江 慎一郎 九州歯科大学, 歯学部, 助手
津川 康治 九州大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 食道胃静脈瘤 / 経皮経肝的門脈造影 / 血流測定 / 超音波検査 / 内視鏡的静脈瘤内圧測定 / 内視鏡的静脈瘤硬化療法 / 内視鏡的静脈瘤結紮術 / 血管造影下塞栓術 / 内視鏡的静脈瘤結紮器 |
研究概要 |
平成10年度は食道胃静脈瘤を有する全症例に対して、超音波ドプラによる門脈、脾静脈の血流測定、肝静脈波形、Pulsatility index(PI)の測定、および経皮経肝門脈造影を施行し、食道胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法、経静脈的静脈瘤塞栓術、あるいは外科的手術の前に門脈及び食道胃静脈瘤の血行動態を把握し、さらに治療後にも超音波ドプラによる検査を施行し、その変化を検討した。また、経皮経肝門脈造影時に門脈血を採取し、PDGF、TNFα、TGFβ等のサイトカインを測定し、門脈圧との関連を検討した。共同研究者の橋爪、田上、森田が中心となり、超音波ドプラ検査(田上)、経皮経肝門脈造影(橋爪、田上)、門脈血採取及び各種サイトカイン測定(森田)を施行した。 [超音波ドプラ検査] 食道静脈瘤硬化療法初回治療例では、その前後において有意な変化は認めなかった。胃静脈瘤に対しB-RTOを施行した7例では、脾静脈、門脈血流が治療後に増加する傾向であったが有意差は認めなかった。食道静脈瘤難治例及び脾機能亢進症に対してlaparpscopic splenectomyを施行した症例では、門脈血流量及び脾静脈血流量は有意に減少したが、肝静脈のDoppler PIは有意に上昇し、waveformのpattemもgrade数の少ない方向へ推移した。また、術後の肝機能も改善した。脾摘による門脈血流量の減少で肝に対するover flowが減少し、肝内の循環動態が改善されることが原因と思われた。 【門脈血中サイト力イン測定】 PDGFの門脈血中濃度は門脈圧亢進症患者において非肝硬変患者に比べて有意に高値であり、門脈圧亢進症患者のPDGFの門脈血中濃度は門脈圧と正の相関を認めた。PDGFが肝硬変における肝の線維化に大きく関与するだけでなく、門脈圧亢進症の原因としても大きく関与している可能性があることが示唆された。
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