研究課題/領域番号 |
08877309
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
割田 博之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30262207)
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研究分担者 |
大坪 邦彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20272601)
堀田 邦孝 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40251540)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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キーワード | 歯根膜 / 外力 / 白血球 / 転がり / 粘着 / 弱い持続的な力 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
研究概要 |
外力に対する歯根膜の応答を解明するため,歯根膜に豊富に存在し、組織の機能維持に必須の構造物である微小循環系に着目し検討を行った。 まず、既存のハムスター頬袋のモデル実験系を用いて、様々な外力に対する微小循環系の応答性を生体顕微鏡下で検討した。次にラット上顎臼歯を近遠心に相反移動する実験系を開発し、血流を止めない弱い持続的な力と弱い減衰する力を負荷した際の歯根膜の応答性を酵素組織学的に比較検討した。さらに、この実験系において、蛍光標識された歯槽骨を共焦点レーザー走査顕微鏡により観察し、外力に対する歯根膜の応答性を比較検討した。 その結果、ハムスター頬袋の単一細静脈内を観察したところ、血流を止めない持続的な力に対しては、白血球の転がりと粘膜が多く観察されたが、間欠的な力に対してはあまり観察されなかった。この白血球の応答は、外来刺激を受けた細静脈において必須の初期反応であることから、外力を受けた歯根膜における改造現象の引き金として注目される。この結果を踏まえて、弱い持続的な力と弱い減衰する力を用いてラット上顎臼歯を近遠心に相反移動したところ、歯の移動初期では弱い持続的な力を負荷した歯根膜において圧迫側での直接性骨吸収と牽引側での活発な骨添加が認められた。一方弱い減衰する力を負荷した歯根膜では圧迫側での穿下性骨吸収が観察され牽引側での骨添加も少なかった。また、歯の移動後期における共焦点レーザー走査顕微鏡による観察から、弱い持続的な力による牽引側歯根膜において、骨添加が旺盛であった。 以上より、外力の種類により歯根膜の応答性に差が認められることが示唆された。 なお、本研究の一部を、第55回日本矯正歯科学会大会(福岡)にて発表した。
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