研究課題/領域番号 |
08877325
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
櫨木 修 東京大学, 薬学部, 助教授 (80142751)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | NAD / ADPリボシル化 / NADアーゼ / RT6 / リンパ球 / シグナル伝達 |
研究概要 |
我々は、先に細菌毒素の触媒するADPリボシル化反応を利用して、三量体G蛋白質の同定と機能解明に多大に貢献してきた経験をもつが、これらの研究成果を背景として、最近ラットのTリンパ球アロ抗原RT6がADPリボシルトランスフェラーゼの酵素活性をもつことを見出し、単離されたリンパ球表層上でRT6の自己ADPリボシル化が進行するとを明らかにした。RT6はTりんぱ球の成熟過程において何らかの関与が示唆されている表面抗原であり、またその分子の欠損したラットにおいては、インスリン依存性糖尿病が頻発するなど病態との関連も示唆されている。本研究では、細胞外に触媒部位をもつ他のプリンヌクレオチド代謝酵素との対比を含めて、RT6のもつ酵素活性を解析し、以下の知見を得た。 1.RT6.1分子のアミノ酸点変異体(Gln^<207>→Glu^<207>)が、本分子のもつADPリボシルトランスフェラーゼ活性を著しく上昇させることを見いだし、他のADPリボシル化酵素に共通なEEEVLIP[207-213]配列が本酵素の活性にも重要なアミノ酸であることを明らかにした。2.RT6分子の2つのアロタイプ(RT6.1とRT6.2)について、それぞれ大腸菌で発現させたリコンビナント体を用いて検討したところ、NADグリコヒドロラーゼ活性には、2つのアロタイプ間において大きな相違は認められないが、RT6.2のADPリボシルトランスフェラーゼ活性はRT6.1に比べて約10倍高いことが明らかにされた。3.また、ラット胸腺細胞をレチノイン酸で処理すると、RT6のADPリボシル化活性が誘導されるが、この活性はRT6.2分子の発現誘導によることを明らかにした。
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