研究課題/領域番号 |
08877334
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 典子 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (50277696)
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研究分担者 |
福井 哲也 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90111971)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | レチノイレーション / レチノイン酸 / HL60 / cAMP / プロテインカイネースA / 分化 / リン酸化 |
研究概要 |
レチノイレーションによって引き起こされる蛋白質リン酸化酵素A(PKA)の機能変化と分化シグナル伝達機構との関係を、ヒト骨髄球性白血病細胞活(HL60細胞)を用いて検討した。RA処理した細胞の粗抽出液を調製し、イオン交換カラムクロマトグラフィーで分離した各画分に対してPKA活性を測定したところ、RA処理した細胞画分には無処理画分と比較してPKAの種類及びその量に大きな変動は認められなかった。RA処理した細胞の各画分における8-アジド-cAMPでフォトアフィニティラベルされたPKA調節サブユニット量は無処理のものに比べて増加していた。一方、RA処理した細胞の総蛋白質画分におけるリン酸化蛋白質量及びPKA活性はRA処理をしていない細胞に比べて減少しており、8-アジド-cAMPでフォトアフィニティラベルされたPKA調節サブユニット量は顕著に増加していた。その際、特異的な蛋白質のリン酸化がRA処理により抑えられていた。以上の結果から、RA処理によりPKAの触媒サブユニットの量は変化しないが調節サブユニットの量が増加し、触媒サブユニットあたりの調節サブユニット数が増加している可能性、PKAの細胞あたりの比活性が低下し、PKAを介した蛋白質のリン酸化が抑制されている可能性、及びレチノイレーションによってPKAの触媒サブユニットの調節サブユニットからの脱離が阻害され、その結果PKAによる蛋白質のリン酸化が抑制される可能性が示唆された。現在、RAによるリン酸化酵素の細胞内局在性、cAMPのPKA調節サブユニットへの親和性、触媒サブユニットの調節サブユニットからの脱離に対する影響を検討中である。
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