研究概要 |
1.「水」環境改善システム(プール水浄化,飲料水浄化,浴用水浄化,オリーブオイル主成分スキンクリーム使用等)で難知性皮膚疾患者やプール指導者の生体改善を試みるケースを追跡した.前者(1〜20年間の疾患者8名)では2カ月〜1年半で回復したことが観察された.後者では中性脂肪値(健康診断値)で改善したことが観察された. 2.システム参加以前の医療費用および,参加後のシステム参加に関わる費用が産業社会に投入された場合の他産業への波及構造を産業連関分析した。前者の産業構造上の波及は,一部の領域(商業,31%:化学最終品,31%:サービス業,12%)に主に限られることが観察された.医療費用は直接費用と思われる化学最終品以上に商業,サービス業と関わる産業波及特性を有する.後者の波及でも,商業(16%),サービス業(9%)への波及が見られるが,他に研究部門(8%)等,経済社会全般にわたる波及(金属,18%:産業機械,15%:化学最終13%)が見られることが前者と異なる.産業社会においては,特定の産業社会に偏らず,幅広い連関領域を持つことが安定的状態という報告もあり(Pommeroy,1988),その視点から本プログラムは有用な波及構造を持つとも解釈できる.経営戦略で強調される価値連鎖(value Chain)が広がる裾野を持つ状況とも説明できる. 3.高額なプール浄水器の「費用」と,医療費削減の「便益」を費用・便益分析で捉える可能性を試みた.市場割引率,利子率等の組み込みでシミュレーションが可能となる可能性を議論した. 3.このシステムは,現在民間プールで3件,公共プールで1件,病院(整形外科)リハビリ用プールで1件に広がっている.
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