研究概要 |
Kurashige(1996)が提唱した手法により、河床礫の粒径組成からその礫が運搬された時のせん断応力推定を北海道内3河川で行ってきた。この結果,推定したせん断応力値は,高水時のせん断応力値に近いことを経験的に知るに至った。また,現世の河床礫の堆積構造が,河成段丘の堆積構造に類似していることも判明した。 そこで,平成10年度には、現世の河床が人工改変により段丘化している札内川において,現河床礫および現世段丘礫の粒径分布を測定し,これをもとにせん断応力値を推定した。その結果,現河床・現世段丘の両者から得た値はきわめて近かった。現世段丘礫を運搬したときの水文状況と現河床におけるそれとはほぼ等しいと考えられることから,この好適な一致は,現河床でのせん断応力推定手法が河成段丘礫運搬時のせん断応力推定に使用できる証拠となる。 なお,これらの成果の一部は,平成10年9月に開催された「古水文環境復元国際会議」(於:熊谷市・立正大学)で公表することができた。
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