研究課題/領域番号 |
08878024
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
小倉 康 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (50224192)
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研究分担者 |
猿田 祐嗣 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (70178820)
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50132692)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | メタ認知 / 推理判断力 / 問題解決 / 協調的問題解決状況 / 思考過程観察評価法 / 演示実験 / 協調的問題解決法 / 面接調査法 / 比例的推理 |
研究概要 |
今年度は、2か年継続研究の最終年度に当たり、初年度の研究を発展させて、基礎的な研究をまとめ、実践的な研究を展開し、報告書を刊行した。 まず、初年度の研究結果の考察を深めて、「推理判断」を分類して捉える理論的枠組みを完成させた。これは、子どもたちの素朴で多様な推理判断過程を、その推理様式とは別に、形式的な論理に基づくものと非形式的な論理に基づくものとに大きく2分して捉え、それぞれを細分化したものである。 次に、複数の生徒に協力して問題解決に当たらせる「協調的問題解決状祝」を用いた面接調査の結果から、推理判断力の育成を促進するための以下の一般的示唆が得られた。 (1)形式的な処理以前に問題自体の意味を理解させること。 (2)生徒の推理判断力によって理解のされ方が異なるため、いくつかの指導方法を併用すること。 (3)生徒が受動的でなく自発的積極的に問題を解決するように励ますこと。 (4)生徒たちが協調的に問題を解決しようとする状況をつくること。 (5)生徒たちが社会的に対等で、主従関係が生まれないように留意すること。 (6)推理判断過程に着目させ、非形式的な論理を点検させること。 (7)推理判断過程をより合理的なものとするために、科学の特徴的な推理判断過程に習熟させること。 さらに、ワークシートを活用して、生徒を代表した実験班によって演示実験させる過程で生徒のメタ認知を促進しようとする「思考過程観察評価法」を開発し、中学3年生を対象とした複数の授業を実施した。この結果から、「思考過程観察評価法」が、授業実践の状況下で子どもたちの推理判断力を育成するために高い効果が期待できることが考察された。しかし、当初計画していた生徒の推理判断力の向上の直接的な測定まではできなかった。 以上の成果を報告書にまとめ刊行した。
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