研究課題/領域番号 |
08878076
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 海洋光合成細菌 / フロキュレーション / 海水 / 金属イオン / バイオレメディエーション / 水酸化物 |
研究概要 |
当研究室で分離され、新種と同定された海洋光合成細菌Chromatium sp.NKPB002017は、その菌体懸濁液に海水を添加することにより容易に凝集し、沈殿を生じる(フロキュレーション)、性質を有することが示されている。また、この現象はマグネシウム等の多価イオンを添加した場合にも生じる。しかし、光合成細菌のフロキュレーション機構の解明、及び工学的応用に関する研究はこれまで全く行われてない。一方、光合成細菌はリンや窒素源を菌体内に取り込むため、これらの除去を行う微生物として注目され、多様な廃水処理への応用が研究されているが廃水中の有害金属イオンの除去に応用することは全く新しい試みである。本研究では生物による環境保全、修復技術(バイオレメディエーション)の1つとして海水の添加により容易に菌体を回収可能な海洋光合成細菌による有害金属イオン除去法の確立を目的とした。 Chromatium sp.NKPB002017の菌体懸濁液に、海水を30%以上の割合で添加し、pHを8以上とした場合、約1時間で80%以上の菌体にフロキュレーションが生じた。この海水の添加によるフロキュレーションはpHに依存し、pH5においてはほとんどフロキュレーションが生じなかったが、pH6以上でフロキュレーションが生じ、特にpH8以上で急激なフロキュレーションの形成が観察された。さらに、2価以上の金属イオンの影響を受け、特にカルシウム、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、及びストロンチウムが効果的であった。このフロキュレーションが生じる原因の1つとして、海水中の陽イオンが正電荷を帯びたリン酸化合物や水酸化物を形成したためと考えられた。さらに、海水中に含まれる多価の金属イオンによる架橋反応、海水の添加による細胞表面の疎水性度の変化、光合成細菌の代謝産物による影響等も関与していると考えられた。
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