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リン酸化による蛋白質の機能制御に関する構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08878110
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 生物物理学
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

箱嶋 敏雄  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード二成分系 / 細胞内情報伝達 / 多段階リン酸リレー / Hptドメイン / ヒスチジンキナーゼ / 結晶構造 / 構造生物学 / X線
研究概要

新しいパラダイムである「多段階リン酸リレー・システム」におけるリン酸転移触媒モジュールをもつHPtドメインの構造を明らかにし、嫌気的条件センサー蛋白質ArcBにおける蛋白質リン酸化におけるHis、Asp及び金属イオンの役割を解明した。外部環境に対応するための細胞内シグナル伝達の大部分は、蛋白質のリン酸化を通して行われている。これに関与する蛋白質キナーゼあるいは蛋白質フォスファターゼの触媒反応には、二価の金属イオンが必須であり、その普遍的役割は明白である。大腸菌由来の嫌気的条件センサー蛋白質ArcBのドメイン構成は複雑であり、N末端側から、アンカー部分、受容体ドメイン、HPK(ヒスチジン蛋白質キナーゼドメイン)ドメイン、分子内レシ-バ・ドメイン、そしてもう一つのヒスチジンを含むリン酸転移(HPt)ドメインをもつ。ここではATPからのHPKドメインヘの自己リン酸化に続いて、分子内レシ-バ・ドメイン、HPtドメインそして標的レギュレータ蛋白質のレシ-バ・ドメインへの複雑なリン酸転移が起こる。同様のドメイン構成は一群の細菌由来のセンサー蛋白質に見いだされている。最近、この新規なHPtドメインはレギュレータ蛋白質や酵母由来の情報伝達蛋白質にも発見されており、その重要性が高まりつつある。本年度世界に先駆けて構造決定したArcBのHPtドメインの活性部位を詳述し、レシ-バ・ドメインとの関係を考察した。ここで注目すべきことは、HPKとHPtの両ドメインの活性残基はヒスチジンであり、一旦、ヒスチジン自身がリン酸化されることである。また、レシ-バ・ドメインのリン酸化はアスパラギン酸で起こる。これは、真核細胞由来蛋白質キナーゼの活性残基はアスパラギン酸と信じられており、リン酸化残基はリン酸エステル結合の化学的安定性の高いセリン/スレオニンあるいはチロシンであったのと対照的であり、本来の化学結合の安定性に逆らった方向へ進行する。この酵素反応のからくりが、レシ-バ・ドメインに配位したマグネシウムイオンへのヒスチジンに結合したリン酸基の配位を考察することにより理解される可能性を検討した。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Kato: "Insights into multi-step phosphorelay from the crystal structure of the C-terminal HPt domain of ArcB." Cell. 88・5. 717-723 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] M.Kato: "Crystallization and Preliminary X-ray Analysis of a Histidine Kinase Domain of the Anaerobic Sensor Protein ArcB from Escherichia coli." Acta Crystallogr.D52・6. 1214-1215 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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