研究概要 |
分裂酵母では複製開始点をプラスミドとして自律複製できる配列(ARS)として同定できる。しかし、ARSの構造決定は冗長度が高いことや共通の配列が見つからないことから困難であった。私は機能は不明であるものの比較的良く保存それた配列として報告されている配列(MMACS)と類似の配列がどのARSにもくり返し存在することに注目した。そして、この配列を含むオリゴヌクレオチドを多数繰り返す事により人工的なARSを作成でき、用意に活性に必要なcis-elaemnt,trans-factorの解析ができるのではないかと考え検討した結果以下の結果を得た。 1,MMACSを含む30bpのオリゴヌクレオチドを作成し、これをそれぞれ4,8,16コピーもつプラスミドを作成した。このプラスミドのARS活性を測定するとコピーの数が増えるにしたがって強いARS活性をしめすことがわかった。ただし16コピーのものでも通常のARSより活性は弱い。分裂酵母のARSはfull activityには1kb程度必要なので人工ARSの場合も30コピー程度のものをつくれば高いARS活性をもつことが予想できるが、大腸菌ではこのような繰返し配列は不安定なために試すことができなかった。 2,くり返し配列に結合する蛋白質を検索しAbp1,2を精製した。このうちAbp1について解析を進めた結果確かに複製開始に関与していることを示唆する結果を得た。
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