研究課題/領域番号 |
08878143
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 脊髄損傷 / ダイノルフィン / in situハイブリダイゼーション法 / 神経栄養因子 / in situ ハイブリダイゼーション法 |
研究概要 |
内因性オピオイドペプチドであるダイノルフィンは脊髄損傷後、脊髄で増加し二次的な神経傷害の病因になっていると考えられている。しかし、ダイノルフィンが脊髄のどの細胞に発現しているかはまだ確認されていない。そこで、脊髄損傷後のダイノルフィンの発現をラジオアイソトープ標識合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法により検討した。SDラットの下部胸椎を椎弓切除して脊髄に重錘を落とし、脊髄損傷モデルを作成した。ラットを損傷後4時間から1週間で潅流固定後、脊髄を取り出して組織切片を作成し、in situハイブリダイゼーション法を行った。 ダイノルフィンmRNAの発現は損傷後4hより増加し始め、24h-48hでは損傷部位周辺の頭側及び尾側で著しく増加し、損傷部位頭側でのPPD mRNAの増加後の減少は麻痺の回復のみられる損傷後1wに一致していた。一方、損傷尾側でのPPD mRNAの増加の遷延はPPD mRNA発現ニューロンが、遠心性線維により影響をうけており、脊髄損傷によって脱抑制が起こり、activationされた可能性が考えらる。 各個体の傾斜台角度とPPDmRNA陽性細胞数との相関関係をみると、両者は相関係数-0.848の負の相関を示し、脊髄損傷24h後の運動機能障害とPPDmRNAの発現量はよく相関していた。脊髄で増加したダイノルフィンは過去に報告された血流の減少や興奮性アミノ酸の増加や、リン脂質の加水分解、などのメカニズムを介して、脊髄に障害を与えていると考えられる。 trkBmRNAの発現を同様の手法で検討した。trkBmRNAは損傷部位に限局して発現していた。BDNF (Brain derived neurotropic factor)を脊髄損傷前よりくも膜下に投与し、ダイノルフィンmRNA発現の変化を検索したが、特に発現の変化を観察されなかった。
|