研究課題/領域番号 |
08878158
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平野 丈夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50181178)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 小脳 / プルキンエ細胞 / グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 長期抑圧 / 運動学習 / 前庭動眼反射 / 眼球運動 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞のみで発現している蛋白であるイオノトロピックグルタミン酸受容体のdelta2サブユニットは、運動学習の細胞レベルの基礎過程と考えられている小脳長期抑圧の発現に必用である。私たちはこれまで、このdelta2サブユニットを欠損したミュータントマウスについて解析を行い、このマウスでは小脳長期抑圧が発現せず、運動障害があることを示した。また、内耳を破壊しその後の行動の変化を調べる実験を行い、delta2欠損ミュータントは野性型マウスと比較して、内耳破壊後の動的な平衡機能回復が劣っているという結果を得た。これは、delta2欠損ミュータントマウスの運動学習能力に欠陥があることを示している。このミュータントマウスの運動学習障害をより定量的に解析するために、頭部回転による視野のブレを補正する前庭動眼反射の視野による適応性学習能力を測定することをめざし、まず前庭動眼反射を自動的に計測できるようなシステム作りを試みた。 DCサーボモーターを使用してコンピューターで制御できるマウス用の回転台を作製した。この回転台の上に赤外線LEDと赤外線感受性CCDカメラを取り付け、ビデオキャプチャーボードを用いて、マウスの眼球の画像をコンピューターに取り込んだ。マウスの回転台への固定は、頭骨上にアルミニウム性のプラットフォームをデンタルセメントで取り付けることにより行った。眼球の画像を2値化した後、瞳孔を楕円近似し、その中心の位置・長径・短径より眼球の回転角度を求めた。また、回転台の回転速度および位置は、各速度センサーを用いて検出した。暗所で前庭動眼反射を測定する際には、縮瞳剤を用いて、瞳孔の楕円近似が容易にできるようにした。この方法により、マウスの前庭動眼反射を安定して容易に測定できるようになった。
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