研究課題/領域番号 |
08CE1001
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研究種目 |
COE形成基礎研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
井上 和子 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (10052193)
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研究分担者 |
石居 康男 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (10232240)
岩本 遠億 神田外語大学, 言語科学研究科, 助教授 (50245289)
長谷川 信子 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (20208490)
萩原 裕子 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (20172835)
鷲尾 龍一 筑波大学, 現代語現代文化学系, 教授 (90167099)
渡辺 明 神田外語大学, 言語科学研究科, 助教授 (70265487)
奥津 敬一郎 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (40086947)
原口 庄輔 筑波大学, 現代語現代文化学系, 教授 (50101316)
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研究期間 (年度) |
1996 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
298,000千円 (直接経費: 298,000千円)
2000年度: 60,000千円 (直接経費: 60,000千円)
1999年度: 75,000千円 (直接経費: 75,000千円)
1998年度: 83,000千円 (直接経費: 83,000千円)
1997年度: 80,000千円 (直接経費: 80,000千円)
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キーワード | 言語理論 / 普遍文法 / 言語獲得 / 脳科学 / 自然言語解析モデル / 言語の演算能力 / ミニマリストプログラム / 原理とパラメター理論 / 普通文法 / 言語の演算 / 原理と / 原理とパラメータ理論 |
研究概要 |
平成8年度から5年間のCOEプロジェクトの研究成果の中で中核的な研究領域を5つ選んで12月9日、10日に本大学において国際シンポジウムを開催した。その目的は、5年間の研究成果を公表すると共に、本研究活動をより広い観点から位置付け、認知科学や言語学、他の関連分野の研究とその動向、将来的展望、国際的研究の水準および動向を視野に入れる形で本プロジェクトの意義と貢献について内外からの評価を得ることであった。研究分担者による研究発表と海外からの研究者による招待講演、および活発な討議により上記の目的を達成した。これらの論文は約350頁の研究発表論文集(プロシーディングズ)として刊行した。さらに、シンポジウムの機会を利用して、本プロジェクトの一環として作成した日本語誤用データベース、会話データベース、日本語述語データベース、および「原理とパラメータ」理論にもとづく、生成・解析モデルPAPPIによる言語統語解析、日本語文の処理に関する実験、キーワード抽出プログラム、英文アブストラクト作成支援ツール、大量言語データに基づく言語研究を支援する技術などに関するポスターセッションとデモンストレーションを行い、高い評価を得た。 シンポジウムにおいて取り上げられなかった研究もそれぞれ、5年間のまとめとして充実した論文として仕上がり、これらは、上記のデータベースなどと共に約650頁の報告書としてまとめた。プロシーディングスの研究発表論文と報告書の論文は、他の年度の成果と共にCOEのホームページからダウンロード可能な形で整備している。 <理論研究>国際シンポジウムで取り上げた3つのテーマ、「普遍文法と統語論」「普遍文法と論理形式(LF)/意味論」「概念構造と語彙部門」は、理論研究全体の中心課題であり、いずれの研究も大きな成果を上げ、国際的にも高い評価を得た。特に本プロジェクトの重要研究目標である言語の演算・計算に関わる語彙素性の研究ではかなりの成果を上げた。ミニマリストプログラムを踏まえて、要素の移動に関する研究を充実させた。他方述語の意味素性をもとに統語構造生成および複合語生成に関わる語彙素性を語彙概念構造として定式化することを試み、これに対する理論的検証も進み大幅な前進が見られた。 <記述研究>日本語、韓国語、モンゴル語、仏語の記述が進み、理論研究を補強した。特に生成文法を視野においた韓国語の記述および理論研究、韓国語資料のデータベース化は他に類を見ない研究成果である。語用論の立場からは、生成文法で重視されている構造を再分析した。コミュニケーション班では、5年間の研究のまとめとして、コミュニケーション様式の日米中比較について、これまでに集めた文献とテレビドラマおよび小集団討議における発話資料を再分析してまとめ上げ公刊した。さらにコミュニケーション能力や英語道具論の虚構性やレトリック性についての批評研究を行った。 <実証研究>国際シンポジウムでは実証研究として「言語と脳」「言語獲得」を取り上げた。前者では、特に、文構造の基本となるXバー構造の心的実在性、機能範疇と語彙範疇の区別、意味逸脱と統語逸脱と関わる脳内基盤に関する仮説を脳研究において実証を試み、国際的に見ても他に類を見ない成果を上げた。後者に関しては、日本語の主要統語構造の言語獲得に関する心理学的実験と幼児発話データの分析および、データベース形成が進み、今後の研究に確固たる基盤ができた。その他の実証研究としては、言語理論を組み込んだヒトの言語処理モデルによる理論の検証を行い、MITと共同研究をしてきたPAPPIを、本プロジェクト理論班の日本語に関する研究成果を基に改定し、より充実したパラメータを設定することによりPAPPI自体を補強した。国際シンポジウムにおいて神田版PAPPIを公開し、多くの反響をえた。自然言語処理に関しては、大量データからの学習による自然言語処理技術の開発(国際シンポジウムにおいて公開)と、意味の詳細な記述や感性情報の取り扱いといった言語に関する基盤研究を推進した。さらに「英文アブストラクト作成支援ツール」(上記において公開)の評価に関する実験を行った。 <データベース作成・コーパス言語学>上記シンポジウムで公開したデータベースは、規模としては小さいが、日本語学、日本語教育関係の研究者にとって従来のものと比較して格段に有用であることが示され、将来これを拡大することの必要性が確認された。シンポジウムで公開したコーパスは、COEのホームページ上にそのサンプルを公開し、研究用に限ってはCD-ROMでの配布態勢を整えている。又、コーパス言語学も英語と日本語に関して成果を上げ、言語教育にたいして有用な道具を提供することが見込まれる。
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