研究課題
特別研究員奨励費
塩ストレスが誘導する活性酸素種(過酸化水素など)やアルデヒド(メチルグリオキザールなど)の生成は、タンパク質や脂質の酸化を引き起こし、また、プロリンやベタインが、活性酸素種消去やアルデヒド消去に関与する酵素の活性を向上させる。一方、耐塩機構において、細胞内からのカリウムの流出に深く関与する原形質膜外向き整流性カリウムチャネルの活性の制御が重要であり、また、細胞の信号伝達に重要である原形質膜カルシウム(非選択性カチオン)チャネルが酸化還元に関わる過酸化水素やNADPHによって活性が制御されている。本年度は、「耐塩性に関与した塩ストレスによる植物のイオンチャネルタンパク質の修飾・酸化」の解析を目的として、以下の成果を得た。1)耐塩性に深く関与するタンパク質に着目し、塩ストレスによって産生が誘導されるアルデヒド(特に、メチルグリオキザール)や活性酸素種(過酸化水素)によるタンパク質の修飾・酸化が及ぼす活性への影響を調べた。いくつかのタンパク質の活性が大きく変化することを明らかにした。2)アルデヒドや活性酸素種による修飾・酸化されるタンパク質のアミノ酸残基の同定をMALDI-TOF MSを用いて行なった。現在、ペプチド断片の調整等の検討を行ない、アルデヒドで修飾されたアミノ酸残基を同定し、結晶構造解析の結果より、活性への関与する可能性が高い位置にあるアミノ酸であることがわかった。
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