研究概要 |
大地震の発生とその周辺における火山活動の間になんらかの相関が見られるとした研究例は過去に多く見られる。日本列島域についても筆者らを含めた多くの研究がなされており、例えば伊豆大島火山の噴火と関東地方の大地震の間にはよい相関が成り立つとされている。本研究では、木村琉球大学名誉教授、京都大学防災研究所井口准教授らの協力を頂き、地震活動も火山活動が日本列島におけるそれらより数倍活発であるインドネシア島弧域を研究対象に加え、比較研究を行った。まずインドネシア地域における、1980年以降の地震活動の統計的解析を行い、巨大地震による一時的な地震数の増加およびその背景にある長期的な地震活動の活発化を見出した。 近年、地震活動、火山噴火活動が活発化の傾向にあり、火山帯においてはそれらは相互相関していると考えられる。日本とインドネシアはたびたび地震や火山の影響を被ってきたが、その発生パターンには両国間に差異がある。時系列解析モデルARIMA(3,1,2)とARIMA(2,0,1)x(1,0,1)を各々インドネシアと日本における地震予測に適用した。時系列解析の結果、日本では大地震の発生に先行して火山噴火活動があった例が多い。これは沈み込みに伴う地殻応力の増大が火山活動を誘発することを示唆している。一方、インドネシアにおける地殻活動は複雑で、大地震と火山活動の間に強い相関を見出すことはできなかった。 火山噴火と大地震には時間と距離に依存した関係がある。インドネシア、日本両国において震央位置が迅速に得られ火山活動が十分モニターされるならば、この時間と距離の相関解析は地震の事前予測に役立つものであることが示唆される。
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