研究概要 |
1)大気圧マイクロ波ジェット・プラズマの探針によるパラメータ評価 大気圧プラズマの密度・温度計測は分光からのアプローチが一般的であるが,探針を用いた診断は局所的にプラズマ・パラメータが得られる点で魅力的である.しかし低気圧プラズマに比して粒子間衝突の効果のため探針の電圧-電流特性の解釈に難しい点がある. 我々はTalukder博士の単探針解析手法をTIAGOノズルの場合にも適用できるように,非対称複探針理論を確立した(Journal of Applied Physicsに掲載予定).プラズマと接する導体がTIAGOノズル先端の狭い領域に限られることが探針特性を歪ませる.このため単探針理論からは異常に高い電子温度の値が得られる.非対称複探針理論を用いてデータ解析を行うと妥当な電子温度が得られた(第8回探針に関する国際会議で発表,Contributions to Plasma Physicsに掲載予定). 2)鉛直射出大気圧マイクロ波プラズマ・ジェットの生成 大気圧マイクロ波プラズマ・ジェットを気密容器に導入する際に,ジェットを水平射出する配置では浮力のためジェットは上方へ曲がり,大気中のヘリウムの純度が増加するとアーク放電が容器壁との間で発生する等の不都合があった.この問題点を解決するためプラズマ・ジェットを鉛直射出できるよう配置を改め,このような異常放電が発生しないことを確認した.今後はヘリウムの純度を上げつつヘリウムジェットプラズマをタングステン板に照射しPWI研究を行う予定である.
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