研究課題/領域番号 |
08F08425
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
園芸学・造園学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 悟 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授
|
研究分担者 |
NIMITKEATKAI Hataitip 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 外国人特別研究員
NIMITKEAT KAI Hataitip 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ジャスモン酸 / エチレン / 香気成分 / 病原菌 / ウメ果実 / 揮発性物質 / 環境ストレス |
研究概要 |
環境ストレス、特に生物的要因である病原菌の感染への果実の抵抗性機構について、特に追熟の誘導およびストレスによって誘導されるエチレン生合成、香気成分、内生ジャスモン酸の産生と病原菌感染との関連を検討した。ウメ果実を病原菌(Colletotrichum gloeosporioides)接種前に、ジャスモン酸の誘導体であるn-プロピルジヒドロジャスモン酸(PDJ)0.4mMに浸漬処理し、その後25℃下に6日間貯蔵した。菌の接種はエチレンの前駆物質である1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)、エチレンおよびジャスモン酸の産生を誘導した。対照的にPDJ処理は菌感染に原因すると考えられる内生ジャスモン酸、エチレンおよびACC酸化酵素遺伝子(、PmACO1)の発現を減少させた。この結果はPDJ処理が菌の感染へのストレス耐性を高めたためと考えられた。菌接種後の感染面積はPDJ処理により減少した。さらに果実からの香気成分であるアルコール、エステル、ケトン、ラクトン濃度およびアルコールアクリルトランスフェラーゼ(AAT)活性は病原菌の感染果実で増加したが、PDJ処理によって減少した。香気成分の産生とストレス誘導植物ホルモンであるエチレンの産生は同様の推移を示した。 以上の結果は、PDJ処理はACC酸化酵素遺伝子PmACO1の発現を通してエチレン産生に影響し、病原菌感染によって影響される香気成分産生はジャスモン酸のレベルによって影響されるエチレン産生と一致する可能性を示唆した。本研究の結果は、実際の果樹栽培において、病原菌感染防御への予防的管理への応用を示唆出来るものと考える。
|