研究課題/領域番号 |
08F08451
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部, 教授
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研究分担者 |
MOHD ZULKEFELI Mat Jusoh 東京理科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
MOHD Zulkefeli 東京理科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
JUSOH Mohd zulkefeli mat 東京理科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | トリパノソーマ / オーファンドラッグ / ポリアミン / 二核亜鉛錯体 |
研究概要 |
トリパノソーマはトリパノソーマ科に属する原生生物であり、トリパノソーマ症と呼ばれる様々な病気を引き起こす。その治療方法は、現在のところスラミンやペンタミジンなど極めて限られており、満足な治療法が存在しないのが現状である。地球温暖化に伴ってこのような寄生虫症の拡大が懸念され、医薬品の必要性が高まっているが、患者数が収益を上げるほど多くないため、製薬企業がその開発に消極的な希少疾病用医薬品、いわゆるオーファンドラッグに分類される。 そこで、抗トリパノソーマ薬剤として、2分子、3分子の大環状ポリアミンの金属錯体を様々なリンカーで架橋した多核金属錯体の設計と合成した。12員環テトラアミン(サイクレン)-亜鉛(II)錯体(Zn-cyclen)を、フェニルーアルキルエーテル(ArO(CH_2)_5OAr)リンカーを介して結合させた二核亜鉛錯体が、トリパノソーマに対して強い阻害活性を有していることが明らかになった。次に、同様の長さのリンカーや、キラルなリンカーを導入したcyclenダイマーと、それらに対応する二核亜鉛錯体を合成した。しかしながら、これらの化合物の抗トリパノソーマ活性は非常に弱いことが明らかになった。このことから、上記の二核亜鉛錯体が結合する相手は全くわからないが、2つのZn-cyclenユニットが(ArO(CH_2)_5OAr)リンカーによって、受容体の結合サイトに合うように配置されている可能性が示唆された。従って、二核亜鉛錯体が結合する生体内高分子のスクリーニングが、今後の課題である。また、上記の二核亜鉛(II)錯体は、マウスを用いた動物実験で毒性があることが分かった。毒性軽減も、今後の大きな課題である。
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