研究課題/領域番号 |
08F08517
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
山村 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所疾病研究第六部, 部長
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研究分担者 |
RAVENEY Benjamin JE 国立精神・神経セクター, 神経研究所 免疫研究部, 外国人特別研究員
RAVENEY Benjamin Joseph Edward 神経研究所, 免疫研究部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 多発性硬化症 / 核内受容体 / NR4A2 / インターロイキン17 / Th17細胞 / バイオマーカー / 免疫学 / サイトカイン / IL-17 / 腸管免疫 |
研究概要 |
国立精神・神経センター神経研究所免疫研究部では、多発性硬化症(MS)をはじめとする種々の自己免疫疾患の病態解明と新規治療法の開発を目指して研究を進めている。多発性硬化症患者末梢血サンプルを用いたマイクロアレイの結果、T細胞での発現亢進が認められたオーファン核内受容体分子NR4A2は、MSおよびその動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)において病態に深く関わる重要な分子であることを明らかにしている。MSなどの自己免疫病態には、炎症性T細胞であるTh17細胞が重要な機能を果たすことから、Th17細胞制御因子としてのNR4A2の機能解析を中心に研究を進めた。その結果、末梢血T細胞のNR4A2発現は、自己免疫応答に伴うTh17細胞分化と密接に連関して変動することが分かった。これはNR4A2が、MS病態のモニタリングに有効なバイオマーカーとして応用できる可能性を示しており、現在MS患者サンプルを用いた解析を展開している。さらに我々が構築したNR4A2特異的siRNAを用いて、NR4A2の作用点の一つがT細胞のIL-21産生にある可能性を明らかにした。IL-21はThl7細胞分化に重要なサイトカインであり、引き続き作用メカニズムの詳細を解析中である。さらに同siRNAをコラーゲン含有安定化基質に封入し、マウス静脈内に単回投与することで、EAE病態を効果的にに抑制できることを明らかにした。これはMSをはじめとする種々の自己免疫疾患の新規治療薬として、NR4A2の機能を阻害する低分子化合物が応用できる可能性を示しており、極めて興味深い結果と考えている。現在、種々の遺伝子改変マウスなどのツールを用いた基礎解析をさらにすすめており、自己免疫病態におけるNR4A2の機能の全貌を明らかにしたいと考えている。
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