研究課題/領域番号 |
08F08741
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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研究分担者 |
BORDEL Damien 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 化合物半導体 / 量子ドット / レーザ / 太陽電池 / フォトルミネッセンス / ナノテクノロジー / ヒ化インジウム / ヒ化ガリウム |
研究概要 |
量子ドットを用いた半導体レーザは、その低閾値動作、温度安定性といった利点から、次世代の通信技術への応用に期待が持たれている。そこでシリコンをベースとした集積回路との融合への布石として、また低コスト化を目的として、従来GaAs基板上に形成されてきたInAs量子ドットをSi基板上に作製することを試みた。今回、Ge薄膜がSi基板上に接着されているというGeOI代替基板上への高密度高品質なInAs量子ドットの直接成長に成功し、その発光波長を通信波長帯の1.3ミクロン帯に調整することに成功した。さらに、作製したInAs量子ドットからの発光強度は、Si基板上に直接成長されたものが従来のGaAs基板上に成長されたものに対し著しく低かったのに対し、同程度であったことから、非常に品質の高い量子ドットが得られていることが分かった。この端緒的な発見は半導体量子ドットやシリコンをベースにした次世代光デバイスの開発に向けて新概念をもたらすと期待される。 太陽電池は、差し迫るエネルギー資源枯渇問題、環境問題の解決につながるデバイスとして有望視されている。高発電効率を持つGaAs太陽電池のさらなる性能向上のために、InAs量子ドットを導入することで、従来利用することのできなかった太陽光の近赤外域成分をInAs量子ドットに吸収させることで発電量を向上させることができると考えられている。今回、InAs量子ドットを含むGaAs太陽電池の作製に成功した。近年、世界の幾つかの研究グループが量子ドットを導入した太陽電池を作製しているが、いずれも量子ドットなしのGaAs太陽電池と比較し、著しい電圧値の減少を見ている。我々は今回初めて電圧値の減少のないInAs/GaAs量子ドット太陽電池を得た。また、InAs量子ドットの導入による近赤外域での大幅な電流値の増大も観測した。これらの結果は、量子ドットを用いた新規超高効率太陽電池の実現への大きな一歩と言える。
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