研究課題/領域番号 |
08F08749
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授
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研究分担者 |
SMITH Colin 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
SMITH Colin S 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | フリーター / グローバリゼーション / ポスト産業主義 / 消費文化 / 中産階級 / 若者文化 / エスノグラフィ / 雇用 |
研究概要 |
本研究は日本における「フリーター」現象を、グローバルな若者文化とポスト産業主義社会の時代性との関連のなかで理解しようとするものであった。その目的は以下の三点であった。まず、日本社会における過去15年から20年のフリーターの増加を、労働市場と若者の文化の価値観の変容から考察すること。さらにフリーターが低収入と不安定な雇用状況にいかに対処し、正規雇用へ移っていく過程を捉えるとともに、政府の政策がかれらのキャリア作りにいかなる動機を与えているかを検討すること。最後にポスト産業主義社会のなかで、日本の若者の生活の変化を考えること。とりわけグローバルな消費文化、および日本独自の若者のサブカルチャーとの関連のなかでそれを捉え、分析することを重視した。 本年度は前年度に引き続き、日本のフリーター・若者文化の理解を深めるため、東京と大阪の各地で主に若者ブリーターのフィールドワークを行った。その結果、フリーターと呼ばれる人びとの多様性を具体的に把握することができた。とりわけ、今日の経済状況のなかでやむなくフリーターや派遣社員になっている若者のみならず、自らの選択でフリーターになっていると主張する若者たちと出会うことができた。かれらはボスト産業主義の時代において、近代社会で当然のごとく受けいれられてきた「良い仕事」や「良いキャリア」と呼ばれるものとは別のものに価値を見出している。かれらにとって「大人」の定義も従来と異なるものであることが判明した。変貌する日本社会におけるフリーターの存在は、単なる経済問題としてのみならず、若者の価値観の変容という点からも考察する必要があることが明らかとなった。
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