研究課題/領域番号 |
08J00261
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 彩子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | アスパラギン酸キナーゼ / 活性制御機構 / フィードバック阻害 / Corynebacterium glutamicum / Thermus thermophilus / リジン生合成 / アミノ酸キナーゼ / キャリアタンパク質 / 制御メカニズム / 活性調節機構 |
研究概要 |
これまでに決定に成功しているCorynebacterium glutamicum由来のアスパラギン酸キナーゼ(CgAK)のα_2β_2型の不活性型、阻害型での結晶構造を基に、昨年度から引き続き詳細な比較や変異体による解析を行った。昨年度までに、スレオニンの結合がαサブユニットの活性制御ドメインとβサブユニットのダイマー形成を安定化させ、その後にリジンが結合し、それによる構造変化によってαサブユニットとβサブユニットの間に相互作用が生じ、「閉じた」不活性型構造を安定化することを示している。それに加えて、リジンが結合することにより活性中心の基質であるアスパラギン酸結合部位のアスパラギン酸結合残基同士がイオン結合を形成し、「閉じた」構造を安定化すること、またこの構造変化によりアスパラギン酸の代わりにリジンが結合できるようになり、より不活性型構造を安定化していることを構造解析と変異体解析から明らかにした。 また、高度好熱菌Thermus thermophilusにおける新規リジン生合成経路に関わる、アスパラギン酸キナーゼと相同性を示し、同じくアミノ酸キナーゼであるLysZと、この新規リジン生合成経路に関わるキャリアタンパク質LysWについての構造生物学的研究も昨年度に引き続き行っている。昨年度中にLysZとその基質であるLysWとAAAが結合したLysW-γ-AAAの複合体の結晶構造を決定しており、両者が静電相互作用で結合していることを明らかにしている。本年度はLysZ上のLysW-γ-AAAとの相互作用部位へ変異を導入し、LysZによるLysW本体部分(globular domain)の認識がLysZ活性発現に重要であることを示した。また、結晶構造では活性中心に向いていなかったLysZによってリン酸化を受けるLysWのC末端部位の活性中心への結合モデルを作製し、変異体解析によりそのモデルの妥当性を示した。以上からLysZの機能発現には、LysZによるLysW-γ-AAAの本体部分及びC末端部分の認識の両方が重要であることが示された。
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