研究課題
特別研究員奨励費
(1)ミドリゾウリムシの共生クロレラは1つずつが宿主の食胞膜由来のペリアルガルバキュオール(PV)膜に包まれている。我々はミドリゾウリムシをタンパク質合成阻害剤のシクロヘキシミドで処理して光学顕微鏡で観察すると、24時間以内に共生クロレラを包むPV膜が同調して膨張し、次にリソソーム融合阻止能力を失い、PV膜内のクロレラの消化が誘導される現象を発見した。(Kodama and Fujishima, 2008)。しかし、シクロヘキシミド処理によって誘導される一連の変化を透過型電子顕微鏡で観察した結果、PV膜の膨潤とリソソームの融合が誘導される以前にクロレラの内部構造はすでに崩壊していることが分かった。さらに、他のタンパク質合成阻害剤(エメチン、ピューロマイシン、クロラムフェニコール)で処理した場合には、上記の現象は誘導されないことを明らかにした(投稿準備中)。(2)ミドリゾウリムシとクロレラの細胞内共生には、トリコシストが多数存在する宿主細胞表層直下へのクロレラの接着が必要である。トリコシストに対するモノクローナル抗体を作製し、クロレラの再共生と除去に伴うトリコシストの変化を間接蛍光抗体法で調べた。その結果、クロレラの再共生過程では表層直下のトリコシストをクロレラが押しよけて再配列させ、トリコシストの総数も減少することが明らかになった。逆にクロレラを除去すると、クロレラ数の減少に伴いトリコシスト数が増加した。これらの結果は、共生クロレラがトリコシスト数やその配置を変化させることを示唆している(投稿準備中)。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (9件) 図書 (2件)
Protist 160
ページ: 65-74
ページ: 319-329
Protist 60
Protist (印刷中)
The International Review of Cell and Molecular Biology (印刷決定)
Chapter 2 Infection process of the symbiotic Chlorella species to the host Paramecium bursaria. In, Endosymbionts of the ciliate Paramecium, (Ed. M. Fujishima)(Springer, Heidelberg, Germany) (印刷中)
原生動物学雑誌 41巻1号
ページ: 15-19
原生動物学雑誌 41巻2号
ページ: 117-132