研究課題/領域番号 |
08J00499
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
簑原 誠人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 放射光光電子分光 / 酸化物ヘテロ接合 / ショットキー障壁 / ペロブスカイト型酸化物 |
研究概要 |
ペロブスカイト型酸化物を用いた酸化物デバイスは、従来の半導体デバイスでは得られなかった特有の新規機能が発現する。そのような酸化物デバイス開発において、ショットキー接合界面の空乏層内部のポテンシャル分布を詳細に決定することは非常に意義深い。そこで本研究では、ショットキー障壁高さ変調を引き起こす「界面ダイポール」の有無に起因した界面電子状態を明らかにするため、極性不連続に着目した酸化物ヘテロ接合の空乏層内部のポテンシャル分布を、放射光光電子分光測定を用いて詳細に調べた。その結果、以下のような知見を得た。 1.界面ダイポールの有無に伴う空乏層内部のポテンシャル分布について調べるため、無極性/無極性酸化物SrRuO3/Nb:SrTiO3および極性/無極性酸化物La0.6Sr0.4MnO3(LSMO)/Nb:SrTiO3ヘテロ接合について、放射光光電子分光測定を行った。その結果、極性不連続を有するLSMO/Nb:STOでは、界面近傍に急峻なポテンシャル変調層が存在することがわかった。 2.極性不連続に伴う、急峻な界面ポテンシャル変調層制御のため、終端面構造を制御したLSMO/Nb:STOヘテロ接合について、放射光光電子分光測定を行った。その結果、La0.6Sr0.40/TiO2層から構成される界面では急峻な界面ポテンシャル変調層が存在するのに対し、MnO2/SrO層から構成される界面では、そのようなポテンシャル変調層が消失することがわかった。 以上の結果より、つまり、従来は考慮されていなかった界面構造が、接合特性に重要な役割を果たしていることを実験的に示したものである。本研究より得られた知見は、酸化物ヘテロ接合デバイス開発において、界面構造制御によりデバイス特性のコントロールが可能であるといった非常に重要な設計指針を与えるものである。
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