研究課題/領域番号 |
08J00604
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 啓介 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | スピントロニクス / 磁気コア / 磁気円盤 / スヒントランスファートルク / Vortex Core / Spin transfer torque |
研究概要 |
本年度は、パルス磁場を用いて磁気コアの極性反転研究を行った。昨年度に行った楕円盤を用いた磁気コアの極性反転ダイナミクスをより詳細に検証するために、パルス磁場を用いて極性反転実験を磁気力顕微鏡により観察を行い、数値シミュレーションによって反転メカニズムの考察を行った。 パルス磁場は、Coplanar Waveguideを作製し、パルス電流を印加することで発生させた。パルス電流は、Pulse Generatorを用いてパルス幅=2~5nsのパルスを発生させた。楕円率の異なる試料をCoplanar Waveguide上に作製し、パルス磁場印加前後の磁気コアの極性を磁気力顕微鏡により観察することで反転現象を検証した。パルス磁場は140 Oe~400 Oeの範囲の磁場を用いて測定を行った。それぞれのパルス幅とパルス磁場強度から反転確率を求めた。パルス磁場強度の小さい領域では、反転事象の振動が観察できた。これは、印加するパルス磁場の長さに依存した反転が起こることが証明できた。この反転事象の振動は、数値シミュレーションによる結果においても観測できた。また楕円率の異なる楕円盤の最小反転磁場を求めて、それぞれの楕円率からプロットを行うと、円盤の最小反転磁場が一番小さく、楕円率が小さくなるか大きくなると最小反転磁場は大きくなる傾向がみられた。反転最小磁場の楕円率依存性は、数値シミュレーション結果と定性的に一致した結果が得られた。また数値シミュレーションより楕円盤における反転機構は、長軸にコアが移動した際に、磁気的エネルギーの不安定性から磁気渦-反磁気渦対が生成され、もとある磁気渦と反磁気渦が対消滅を起こすことにより反転が起こることが明らかになった。 パルス磁場による極性反転研究により、楕円盤における反転機構についてより詳細に議論することができた。また以前に行った研究と比べることで磁場による反転機構と電流による反転機構の差異を議論することができ、新たた知見をえることができた。磁気コアを利用したメモリなどの応用への進展に貢献できたと考えている。
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