研究課題/領域番号 |
08J00742
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 康博 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 超伝導 / 近藤効果 / 非平衡 / 量子ドット / Andreev反射 / アンドレーエフ反射 / 非平衡輸送特性 / 交差アンドレーエフ反射 |
研究概要 |
平成22年度(最終年度)は引き続き、交差アンドレーエフ反射に対する電子相関効果の影響について研究した。交差アンドレーエフ反射は、超伝導体に異なる常伝導体を2つ接合し、その接合間の距離がコヒーレンス長より短い場合に生じる特徴的な非局所輸送過程である。今年度は、平衡状態近傍の線形応答領域での交差アンドレーエフ反射について、数値的に厳密な数値繰り込み群法を用いて解析を行った。前年度は自身が定式化した修正二次摂動法によって、同様の系の解析を行っていたが、修正二次摂動法の有効性については議論していなかった。そこで、今年度の数値繰り込み群による数値的に厳密な計算結果と比較することで、定式化した修正二次摂動法が定性的に正しい結果を与えることを確認した。また、より詳細な解析を行うことで、この系における多様な非平衡輸送特性が、系の基底状態によって分類できることを理論的に示した。これらの結果は、国際会議「International Conference on Strongly Correlated Electron Systems 2010」においてポスター発表し、国内会議「日本物理学会2010年秋季大会」において、口頭発表した。また、前年度は常伝導・超伝導リードにつながれた量子ドット系における非平衡輸送特性についても理論解析していたが、前年度末に同じ系に対する実験が出版された。そこで、今年度はより実験に近いパラメーターを用いた数値計算を行うことで、近藤効果とアンドレーエフ反射の絡み合いや量子ドット内のアンドレーエフ束縛状態が系の非平衡輸送に対して重大な影響を与えていることを示し、実験を再現する結果を得た。これら一連の研究から、今まで一般に競合すると考えられていた近藤・超伝導相関が、非平衡電子輸送に対して協力現象をもたらすことを明らかにした。
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